日本ハムが速攻で西武に連勝した。打線が初回に4点、2回にも谷口雄也外野手(23)が左投手からのプロ初安打となる適時打を放つなど4点、2イニングで9安打8点を奪い、西武投手陣を打ち崩した。中盤以降追い上げられたがリードを守りきり、3カードぶりの勝ち越し。借金を1に減らした。今日8日は先発に大谷を送り込み、今季初の同一カード3連勝を決めて、勝率5割復帰を目指す。

 北海道新幹線カラーの限定ユニホームを身にまとう日本ハム打線が、序盤からダイヤモンドをグルグル回った。初回の近藤の先制打が号砲。続くレアードの9号3ランで主導権を奪った。加速した打線の勢いは2回も止まらない。中島の今季初長打となる適時二塁打に中田の左前適時打など打者10人を送り込んで再び4得点。よどみない攻撃で、一気に試合を決めた。

 超特急のような素早い先制攻撃の流れに乗って、殻を破ったのが「かわいすぎるスラッガー」こと谷口だった。2回2死満塁で迎えた第2打席。西武の2番手、左腕の小石から右前適時打を放った。プロ6年目で、サウスポーからの初安打。「頭の片隅くらいには、ありました」。12年の1軍デビューからこの試合の前まで、対左投手は27打席で無安打だった。1軍の舞台で苦戦してきた左腕をようやく攻略。初回には中前打、7回には同じ小石から二塁への内野安打で今季初の猛打賞と一気に加速した。

 外野手のレギュラー争いに必死に食らいついた。4月30日に腰痛が癒えた2年目の浅間が今季初昇格した。谷口と同じ右投げ左打ちの外野手。昨季、対左投手で打率3割1分8厘の後輩の登場でベンチスタートが増え、5月は2度目のスタメン出場だった。「スタメンを決めるのは監督やコーチ。僕はしっかり準備するだけ」。厳しい状況に一喜一憂することなく、出番に備える。普段の心がけが、左投手を苦手とするデータを打ち破った下地。「こういう場面で左から打てたというのは大きい」と、今後への手応えも得た。たたきだした7点目は、もつれた試合展開の中で大きな得点となった。

 打線は3回以降、追加点を奪えなかった反省点はあるが、序盤の猛攻で3カードぶりの勝ち越しを決めた。借金も「1」に減らして、勝率5割復帰も目前。2試合連続で西武投手陣から8得点を奪っている好調な打線に加え、今日8日の先発は前回登板で今季初勝利の大谷。上昇気流に乗る投打をかみ合わせて、今季初の同一カード3連勝を決めて、ゴールデンウイークを締めくくる。【木下大輔】

 ▼谷口の対左投手安打と猛打賞 1軍デビューした12年から昨季15年までの通算は、138試合出場で76安打(本塁打4本)。7日西武戦の第2打席は、今季20安打目。通算96安打目が、左投手からの初安打になった。猛打賞は15年4月2日ロッテ戦(6打数3安打、QVCマリン)、同年4月17日楽天戦(4打数3安打、コボスタ宮城)に続き、通算3度目。