どん底を象徴するシーンだった。楽天最後の打者、ウィーラーが西武高橋光のフォークを空振り三振して尻もちをついた。この瞬間、チーム創設2年目の06年以来、10年ぶりの9連敗が決まった。開幕から4番を務めてきたが、初めて入った3番で結果を出せなかったウィーラーは「4番の人にいいところで打ってもらうために塁に出ることが大事」。しかし4打席で凡退に終わった。

 梨田監督も頭が痛い。「3番のことは言いたくないが…。ブレーキになってしまうね」と珍しく弱音を吐いた。14日から始まった連敗で顕著な結果が出ている。3番に入った今江、島内、銀次、松井稼、ウィーラーで計35打数2安打の打率5分7厘。「連敗中で気負っているのか…。結果を言うのは好きじゃないけど、3番のところで1本出ていたら違ったかもしれない」と、悩んだ末に入れたウィーラーも不発に終わった。

 悪いことは重なる。試合前まで遊撃の守備率でリーグ1位だった茂木が1回と3回に失策し、2つとも失点に結び付いた。「両方とも追いついていた。僕の球際の悪さです。でも使ってもらっている以上、同じことは繰り返したらいけない」と自戒した。

 嶋の負傷リタイアも痛い。18日の左手骨折後も連敗は5個を重ねた。嶋以外の捕手ではまだ1勝もしていない。梨田監督は苦杯をなめ乗り越えてきた。日本ハム時代の11年9月に9連敗したが2位になっている。「選手に責任はない。ただ考えないといけない時期にきている。打順とか、入れ替えとか」。まずブリガムを降格し、石橋を昇格させる。【矢後洋一】