5連勝だ! 井納だ! 4位浮上だ! DeNAが首位広島を退け、連勝街道を突き進んだ。15安打6得点と打線がつながり快勝。最大の勝因はリーグトップの好調相手打線を相手に、8回を5安打1失点に封じた井納翔一投手(30)の仕事ぶりが際立った。長身右腕は「やることは同じ。調子も変わらない。気持ちだけを変えた」と今季本拠地初勝利となる4勝目を振り返った。

 8回の菊池への投球が“こだわりの一品”だった。3点リードの2死一、三塁。初球は直球でストライクが先行した。スライダー、直球でカウント1-2と追い込む。「欲を捨てて、気を引き締めた」。焦らずボールゾーンへのフォークをファウルさせて攻め込み、最後は内角直球で二飛に仕留めた。

 昨季途中から通う、川崎市内の焼き鳥店がある。焼き鳥のみならず、カニクリームコロッケ、チャーハン、つけ麺と多彩なメニューが並ぶ。“勝ち飯”に位置づけ「やっぱり、ここで食べないと勝てない。どれもおいしい」。決めきれないほどの多彩なメニューの中でも井納のこだわりのオーダーがある。「焼き鳥はお任せで5本。でも1本はタレで、ねぎまを入れてもらう」。必ず決まって最初にオーダーする。

 マウンドでも同じだった。「内角の直球でいきたいというのはあるけど、戸柱もいろいろと考えて配球をしてくれている」。任せるところは任せる。一方で自身の意思も入れる。この日の勝負球は直球、スライダー、フォークをちりばめて“豊富なメニュー”で相手打線をのみ込んだ。ラミレス監督も「今までで一番、出来が良かった。彼のテンポが打線に流れを与えた」と絶賛した。

 チームは5連勝で最大11だった借金は今日にも完済する。21日まで最下位だったDeNAが巨人をまくり4位に浮上した。【為田聡史】