日本ハム中田が打点リーグトップタイに躍り出た。1回1死一、二塁から、「昨日は打ち込まれて負けたので、今日は何とか打ち込んでやろうと思っていた」と、左翼スタンドへ先制の決勝9号3ラン。前夜は5打数無安打。「個人的にも、すごく悔しい思い」というモヤモヤを晴らした。

 大きな好調の波が来るのを、じっと待っている。この5試合で4本塁打10打点。一気に6年連続2桁本塁打に王手をかけるなど、調子が上向いてきたが、約1カ月前は弱音が出ることもあった。5月7日西武戦。西武プリンスドームでの試合後、一塁側のベンチ裏通路を歩きながらポツリと、つぶやいた。「あ~野球やめてぇ」。チームは白星で3連勝を飾った試合だが、自身は5打数1安打。好機では凡退を繰り返し、仕事を果たせないイライラから出た嘆き節だった。

 本塁打量産態勢に入るとともに、45打点は西武メヒアと並んで両リーグトップに躍り出た。だが栗山監督は「(中田)翔は、まだ納得してないんじゃないの? こんな数字で終わるバッターじゃないよ」と、さらなる爆発を求める。中田も「今はまだ、この時期なので気にせず。気にするのは周りだけ。僕は試合に集中して、勝利だけを考える」と、大事な交流戦が続く6月を幸先よくスタートさせた。【木下大輔】