希望をつないだ一打も及ばなかった。日本ハム大谷が、また打った。2点を追う8回2死二塁で左前適時打。自身最長を更新する16試合連続安打で旭川のファンを沸かせたが、敗戦。「もっともっと序盤で援護できれば良かった」と、反省が脳裏に残った。1-1で迎えた3回1死二、三塁。勝ち越しの絶好機で期待のバットは空を切った。試合の大きな分岐点で、仕事が出来なかった。

 この日は「スタルヒン氏生誕100周年記念試合」。午前中、レアードとともに旭川市内の日章小学校を訪問。同氏の母校で70人の全校生徒と触れ合った。子どもらへ「僕もまだまだ夢の途中。皆さんにはスタルヒンという素晴らしい先輩がいるので、僕も一緒に夢を追いかけていきたいと思います」と話し、気持ちを新たにしていた。

 スタルヒン氏の長女ナターシャさん(64)とも初対面した。同氏は投手として通算303勝とともに、打者としても活躍。通算打率2割3分7厘、19本塁打、252打点という成績を残した。大投手の愛娘から「スタルヒンも、そう(二刀流)だったんですよ」と伝えられ、笑顔で応じてから試合に臨んだが「負けたことが全て。悔しいです」。伝説の投手が育った地での一戦で、花を添えられなかった。【木下大輔】