「マツダオールスターゲーム2016」(第1戦=7月15日・ヤフオクドーム、第2戦=同16日・横浜スタジアム)のファン投票の最終結果が27日、発表された。最多得票はソフトバンク柳田悠岐外野手(27)の52万1685票で、新人では阪神高山俊外野手(23)が唯一選出された。5度目のファン投票選出となった巨人坂本勇人内野手(27)は、対戦を望む相手に日本ハム大谷を指名。プロ野球最速の164キロ打ちを夢見た。30日に選手間投票、7月4日に監督推薦の結果が発表、全出場選手が決まる。

 超人との対決に、童心に帰った。通算8度目のオールスター出場を決めた坂本は、対戦を望む相手に「大谷君」と指名し、夢の瞬間を想像した。

 坂本 僕自身も164キロは楽しみにしていますし、打ちたいです。

 エースで主軸を務めた小学生の頃、誰よりも遠くに飛ばし、誰よりも速い球を投げることを追求した。「リアル二刀流」の大谷は自らの理想型。敬意を一振りに込める。

 思い描く姿は、シンプルだった。「あれだけの投手。力勝負してくれたら、思い切ったスイングで勝負したい」と言った。リーグ2位の打率3割2分4厘をマークするなど、巧打のイメージだが、オールスターは17試合の出場で3本塁打。夢対決ではアーチストの本能が心を支配する。

 すでに、頭の中でイメージはふくらませた。今季はオープン戦、交流戦で対決。5日の日本ハム戦では高めの直球を左中間にはじき返した。「3度目ですからね」とニヤリと笑った。天才的と称される内角打ち。超スピードボールにも瞬時の反応で対応する。

 思い出に残る瞬間も、力と力の勝負だった。「(阪神)藤川さんと(元西武)カブレラの真っ向勝負は、今でも印象に残っています。全球真っすぐを宣言して投げるところに、プロのすごさを感じました」と話した。かつて、坂本少年がそうだったように、1シーンを焼き付ける。【久保賢吾】