韓国プロ野球の有力投手がスポーツ賭博サイトに絡むブローカーの指示を受け故意に失点するなどした昨年の八百長疑惑が浮上し、検察は23日までに国民体育振興法違反罪で投手らを在宅起訴した。韓国球界では2012年にも八百長事件が発覚。再発防止策の甘さを指摘する声も出ている。

 在宅起訴されたのは南部昌原を本拠地とするNCの李テヤン投手。日本などで昨秋に開催された国際大会「プレミア12」の韓国代表にも選ばれた。韓国メディアによると昨年5月の公式戦でブローカーから「1回裏に失点」との指示を受け、先頭打者に死球を与えるなどして実際に2失点し、2000万ウォン(約190万円)の報酬を受けたとされる。試合はNCが大敗した。同投手は起訴内容を否認している。

 八百長は知人でソウルの球団ネクセン所属だったムン・ウラム選手がブローカー側に持ち掛けたとされ、捜査を受けている。李投手は9月まで八百長行為を重ね、指示通りの結果とならず賭博サイト運営者から暴行を受けたこともあったという。

 韓国野球委員会(KBO)は21日、両選手に練習や試合への参加を禁じ「捜査結果を見て一罰百戒の厳正な制裁を科す」と表明した。12年は2選手が有罪判決を受け、永久失格となった。

 韓国紙、朝鮮日報は22日の記事で当時KBOが取った措置は早期収拾に主眼が置かれ、不正根絶への実効性がなかったと指摘した。