明大同期の高山に負けじと意地の一撃や!! 阪神ドラフト2位の坂本が攻守で躍動だ。今季5度目のスタメンマスク。まずは打撃でアピールだ。1回、一気に攻め立て、なおも2死二塁。井納の初球、外角直球を見逃さない。ヘッドを立てて、鋭くたたくとライナーで右中間を破った。プロ初適時打&初打点でビッグイニングを完成した。

 「スタメンで出ても、最近は積極的にいけず結果が出てなかった。1球目からいこうと思っていた。投手のために1点でも多く取りたい。走者をかえす打撃をできて良かったです」

 貴重な加点打を放っても脳裏をよぎるのはディフェンス面だ。先発能見とバッテリーを組むのは4度目。「慣れは大事です。先輩ですけど僕の思っていることを言おうと思ってます。いいところを引き出せるように」。成長の跡は構え方にも表れていた。10日広島戦でコンビを組んだときは、何度も投球の直前まで両手を用いてコースをジェスチャー。投手が投げにくさを感じるケースもある、しぐさを見せていた。次戦の16日広島戦では、その慌ただしさが消えていたのだ。

 矢野作戦兼バッテリーコーチも「(10日は)ベンチで見ていて多いなと感じていた。高めに行くのが良くないし、意識づけは大切だけど、ここという場面でやるのも大事」と指摘する。この日も落ち着き払って、好リード。扇の要らしく、どっしり構えて、最後まで守りきった。正捕手が定まらない状況で、強烈にアピールした。【酒井俊作】