ラミチャンス打線が止まらない。3戦連続の2ケタ13安打で巨人に連勝。6カードぶりのカード勝ち越しを決めた。DeNAアレックス・ラミレス監督(41)は「前日のいい勢いを持ったままゲームに入れた。初回の3点が大きかった」と意気揚々と振り返った。一時は同点に追いつかれたが、小川打撃コーチが「ストライクを見るな! 積極的にスイングしよう」とアドバイスした直後の5回に、5安打を集めて3点を勝ち越し。勝機を逃さなかった。

 16安打を量産した前日26日は先発オーダーで唯一、無安打だった筒香も加わった。1回1死一、三塁、巨人大竹寛の甘く入ったチェンジアップを捉え、中堅フェンス直撃の先制打。5回にも全力疾走の投手内野安打で後続につないだ。「みんなで戦っている。誰1人欠けてもダメ。全員がそれぞれの責任を持って戦っている」。好調打線に主砲も連なった今、もはや怖いものはない。

 今季初のノーアーチでの連勝が、打線のつながりを象徴している。この日の5本の適時打のうち3本が中堅から逆方向。やみくもではない、しぶとい打撃が積極性との相乗効果を生み出している。3安打3打点で猛打賞の活躍を見せた5番宮崎は「長打というよりもシングルでも、つなごうという意識が強い」とチームの総意を代弁した。

 4連敗を喫した25日阪神戦までの10戦(2勝8敗)は、2完封負けを含む計16得点のスランプからは、完全に脱した。「打線はいい状態。打席で必要なところまできた。桑原の出塁、石川の仕事も大きい。筒香には近いうちにホームランも出る」とラミレス監督。4位とは2・5ゲーム差に広げた。球団史上初のクライマックスシリーズ(CS)進出まで、横浜にチャンスマーチを響かせる。【為田聡史】