巨人平山功太内野手(22)が値千金の一打で試合を決めた。1点を追う7回、無死二、三塁で打席を迎えると、中日先発金丸のスライダーを捉えた。打球は二遊間を抜け、2人の走者がホームイン。逆転の2点適時打に、右手をつきあげ「うれしくてもう、ガッツポーズ出ちゃいました」と感情があふれた。

   ◇   ◇   ◇

「野球を辞める」。4年前、大学を中退した平山は決意していた。環太平洋大では1年時に全国大会に出場。順風満帆に見えた野球人生だったが、指導者と相性が合わず、わずか1年で退学した。

決意を家族に伝えると、父正道さん(56)は「絶対悔やむぞ。ダメでもいいからやってみろ」と引き留めた。父は高校時代は広島の強豪・広陵を途中で退部。経済的要因もあり大学進学はせず、夢を諦め就職した。「絶対、プロ野球選手になりたかった。いまだに後悔しとるんですよ」。

小学校の頃から、息子には驚かされた。小3で、6年生の試合でボールを芯で捉えた。「びっくりして、そこからずっと言霊で『お前は絶対に(プロに)なれる』って言い聞かせました」。同じ後悔を残してほしくなかった。

息子は父の言葉に突き動かされ、野球を続けた。「1番応援してくれていた。大学までは自分のためにやっていましたけど、親のためにも頑張らないとな」とBCリーグの千葉に入団。父とは2年の期限を約束したが、わずか1年でプロ入りまでたどり着いた。

育成選手として入団してから3年が経過し、ようやく立てた1軍の舞台。父が「やっぱり似とるのう」と喜ぶ親ゆずりの打撃フォームで結果を残した。「最高にうれしいです!」と初お立ち台に立った孝行息子。親子二代の夢をふくらませていく。【北村健龍】

【プロ野球スコア速報】はこちら>>