「おまわりさん軍団」が、最後に捕まった。兵庫県警硬式野球部の県警桃太郎(西近畿)が、初めて挑んだ全国大会で2つ目の白星を逃した。6-3の9回2死から同点3ランを浴び、タイブレークの延長11回3時間8分の激闘の末に力尽きた。部員47人の大半が県内の交番に勤務する創部6年目のチームが、2度のスクイズなど「安全第一」の野球で相手を追い詰めた。

 県警桃太郎は任務完了までの、あと1アウトが取れなかった。健闘しながら4強に届かず、8回途中から登板した米田尭弘投手(27=関西国際大)は「すべて僕の責任」と涙した。夜勤明けと非番の日に行う練習は週3、4日が限度。チーム名の「桃太郎」は、悪と戦う警察官の仕事にかけた「鬼退治」が由来という。試合後に兵庫へ戻った選手たちは、今日5日も泊まり勤務で街の安全を守る。