中日が広島に投打ともに完敗し、4年連続のBクラスが決まった。2リーグ分立後は初の屈辱。8月に専任監督1年目の谷繁元信監督(45)を事実上解任しながら成績は上向かず、球団80周年の節目に、最悪の結果を招いた。球団では落合博満ゼネラルマネジャー(GM=62)の処遇を検討。来年1月でGM契約を打ち切り、職位変更などで“責任”を取らせる可能性が出てきた。

 わずかに残されたCSへの道は、広島との絶望的な力量差を露呈して断たれた。4年連続のBクラス。優勝を目指した創設80周年の節目に、最下位脱出が現実的な目標になっている。

 監督解任の劇薬も効かず、組織全体の見直しを迫られている。そんな中、来年1月末で切れる落合GMとの契約を更新しない可能性があることが分かった。白井文吾オーナー(88)は「このまま続けさせるのは難しい。ほとんど残れないと思う」と明かし、「契約は契約」と任期満了での退任を否定しなかった。

 13年10月、谷繁監督の兼任監督就任とともに球団初のGM職に就いた。その年のオフから球団の命を受け、約8億円もの総年俸の削減を敢行。昨年はベテラン勢を次々と戦力外として、チームを大幅に若返らせた。だが肝心の「強化」は遅々として進まなかった。

 白井オーナーは監督解任後、編成部門や落合GMの責任について「ないと思っている」と強調してきた。落合GMの役割を「アドバイザー的なもの。実際には何の権限もない」と説明し、責任が及ばない立場にあると主張した。

 だが、成果が目に見えて表れていないドラフトや補強戦略において、外部やファンから「監督以外」の責任論が噴出した。その声が球団内外で大きくなっていることを白井オーナーも把握。GMからの職位変更が濃厚だが、退団の可能性も残っている。最終的には年内に決まる予定だ。

 最有力視されている小笠原道大2軍監督(42)の1軍監督昇格案をはじめ、組閣、編成などのほとんどを落合GMが取り仕切ってきた。来季に向けた立て直しも、落合GMを軸に進めている。来年以降、球団のかじ取りを誰に任せるのか。中日は再出発を前に、大きな決断を迫られている。

 ◆落合博満(おちあい・ひろみつ)1953年(昭28)12月9日、秋田県生まれ。秋田工-東洋大(中退)-東芝府中を経て78年ドラフト3位でロッテ入団。82、85、86年に3冠王。首位打者、本塁打王、打点王を各5度。最高出塁率7度。82、85年MVP。86年オフにトレードで中日へ移籍。93年オフにFAで巨人入り。96年オフに自由契約で日本ハム移籍。98年引退。通算2236試合、2371安打、打率3割1分1厘、510本塁打、1564打点。04年から11年まで中日監督を務め、リーグ優勝4度、日本一1度。11年野球殿堂入り。13年10月、中日GMに就任。