札幌6大学野球リーグで春秋連覇を達成した東海大北海道の右腕、山根大幸(だいこう)投手(4年=花巻東)が来春、社会人野球屈指の強豪、日本生命入りする。北海道の大学から同チームへの入部は初。高校時代、同級生の日本ハム大谷翔平投手(22)と切磋琢磨(せっさたくま)した努力家は、昨年、都市対抗、日本選手権の2大大会を制した西の名門で牙を研ぎ、2年後のプロ入りを目指す。

 チーム初の春秋連覇を支えた東海大北海道の山根が、思い描く夢のため次の舞台に選んだのは、大阪を拠点にする日本生命だった。昨年、都市対抗、日本選手権と、社会人の2大大会で優勝。これまで数多くのプロ選手を輩出している西の名門だ。岩手から北海道へ渡り実績を積み上げた右腕は「声がかかった時は、うれしかった。少しでもチームの力になれるように頑張りたい」と、来春からの新生活に思いをはせた。

 花巻東時代、日本ハム大谷とともにプレーした。“二刀流”で活躍、リーグ制覇目前の旧友に比べ「自分は凡人。中学時代も目立った活躍はしていないし、高校でも4番手」。だから、努力を惜しまなかった自負がある。大学3年時に出場した昨年6月の全日本選手権が、大きな転機となった。初戦の立命大戦で先発完投したことで、全国的に知られる存在に。「体が大きく伸びしろもあるし、強いボールを投げられるのが魅力」と日本生命関係者の目に留まった。

 最速は147キロ。横手投げに変更した今春は不本意な成績に終わったが、スリークオーターに戻した今秋、見事に復活を果たし、プロ志望届を提出したエース水野滉也(4年=札幌日大)との両輪で、リーグ戦全勝優勝に貢献した。来月1日から始まる明治神宮大会地区代表決定戦で、北海道6大学を制した旭川大と初代表を懸けて激突する。「前に飛ばない真っすぐを投げられるようになって、プロ入りを目指したい」。最短で2年後-。その前に、まずは大学最後の全国切符をつかみ取る。

 ◆山根大幸(やまね・だいこう)1994年(平6)9月3日生まれ、岩手・宮古市出身。小3年で野球を始め、花巻東高に入学後、内野手から投手に転向した。北海道東海大では1年春に公式戦デビュー。今秋は3勝1敗、防御率0・36で、最優秀投手賞を手にした。最速147キロ。持ち球はスライダー、チェンジアップ、ツーシーム。家族は両親と姉、弟。右投げ右打ち。184センチ、84キロ。