第2の西口を育て上げる。西武は11日、来季のコーチ陣容を発表した。新たに2軍投手コーチに就任した西口文也氏(44)は「ライオンズは投手王国と言われてきた。コーチ経験はないに等しいので、本当に勉強ですが、若い投手陣の底上げを全力でやっていきたい」と決意表明した。

 現役時代は生え抜きのエースとして182勝をマーク。3年連続Bクラスに沈む現状に「先発に1年間ローテを守って、2ケタ勝つ投手が増えなければ強いチームにはなっていかない」と指摘した。さらに常勝軍団の復活には、若手の突き上げが不可欠と強調。今季は2軍から抜てきされても結果を出せないケースが続いた。「チャンスをつかみきれないのは技術だけじゃない。メンタルも強くしていけなければ」と話した。

 育成の第1歩には対話を掲げた。昨季引退し、今年は球団編成部に所属しながら韓国、台湾、米国でコーチ修業。異国での指導を通じ「理解させるには、身ぶりも交えて丁寧に教えないといけなかった。自分よがりではダメ。コミュニケーションが大事になる」。球団は将来のリーダーとしても期待をかける。「いつか指導者としてユニホームを着たい気持ちはあった」と明かした男が、新たなスタートを切った。【佐竹実】