ノッてるチームで、最高のパフォーマーを目指す。DeNAから2位指名を受けた最速147キロ右腕、東海大北海道の水野滉也は、上位指名に「目を疑う感じだったけど素直にうれしかった」と大きな瞳を、さらに丸くした。札幌市内の同校で授業を受けた後、別室で待機。現役では、同校卒ただ1人のプロ誕生となり「授業中ずっとそわそわしていた。テレビに自分の名前が出るなんて」と感激に浸った。

 8強入りした今年6月の全日本大学選手権で、右サイドながら145キロ以上の直球を連発し、一気に評価を高めた。ドラフト会議開始から1時間5分。日米大学野球でともに日の丸を付けた仲間の名前が次々と呼ばれる中で迎えた、最高の瞬間に「ひと安心した」。日本代表で同部屋だった神奈川大の浜口遥大投手(4年=三養基)と同チームからの指名に運命を感じつつ「先発でも、中継ぎでも、打たせて取る投球を意識して、球界を代表する投手になりたい」と語った。

 小学生の時、千歳市内のイベントに参加していた松坂大輔投手(現ソフトバンク)からサインをもらい、以来、憧れの人に。メジャーで投げる姿を見て、それまで野球と並行してプレーしていたアルペンスキーを、きっぱりやめ、野球一筋に打ち込んできた。

 社会人野球か、プロか。迷った末の決断。「人見知りするほうだけど、プロ入りしたらキャラを変えようかな」。今年、初めてクライマックスシリーズ進出を決めるなど、若手台頭が著しいDeNAで、現役時代、プレーだけでなくパフォーマンスでも球界を沸かせたラミレス監督のような一流を目指す。【中島宙恵】