今季国内FA権を取得し、去就が注目されている中日平田良介外野手(28)の残留が3日、濃厚になった。2日に球団と交渉した平田はこの日、「第1は中日で考えている」と初めて方向性を語った。最終結論は出していないが、契約の細部を詰める段階に来ているとみられる。大島に続いて主力2人の残留が決まれば、最下位チームにとって最高の「補強」になる。

 ナゴヤ球場で練習後、口を開いた平田の表情は晴れやかだった。2日に西山球団代表と交渉。一端を明かした交渉の中身が“答え”になっていた。

 「中日をどう良くしていくか。若い選手はなかなか伝えられない。自分が間に入って伝えられたら」

 硬く、体への負担が大きいとされるナゴヤドームの人工芝の改善、チーム内の問題…。話題は多岐にわたった。「いい話だったか?」と聞かれると「はい。そうですね」と即答した。

 移籍も選択肢だったが、たび重なる交渉で条件が満たされていった。本人は提示条件について明かさないが詳細を詰めている段階。今季から5000万円増の推定年俸1億2000万円が提示されているとみられ、複数年契約が濃厚だ。

 宣言するか、しないかの確率は「50%」としたが、残留を前提にして交渉している。「第1は中日で考えています。11年間在籍して愛着もある。まずは中日と話して、納得できなかったらFAして、そこからでも話はできる。焦ってないです」。条件面のクリアと、チームへの愛着が決断を大きく左右したようだ。

 西山代表は「いい話をできていると思う。どうやってこのチームを強くしたらいいんだろうと。(結論を)全部決めたわけではない。もう少しお待ちください」と静かに吉報を待つ。

 「お金はある程度もらえたらいい。あまり興味がないというか。評価はしてほしいですけど」。申請期限は9日。それまでに球団とまだ数回会う可能性がある。平田の目に中日の未来がくっきり映れば、FA宣言もしない。大島の残留に続き、明るいニュースが舞い込む日は近い。【柏原誠】