侍ジャパンの上位打線が固まった。強化試合の初戦となる10日のメキシコ戦(東京ドーム)で、筒香嘉智外野手(24)が4番に座る。今季セ・リーグで打点、本塁打の2冠を獲得した左の強打者を幹とし、1番から坂本、秋山、山田、筒香、中田と強力なジグザグ打線を組む。筒香は「4番を任されることになれば、逃げない。圧倒したい」と覚悟を定めた。若き大砲を中心に、世界一を奪還に向けた準備を整える。
筒香が放物線に思いを込めた。中田と並んで快音を響かせたフリー打撃。最後の一振りは右中間最深部に着弾させた。武骨な表情は崩さない。来年3月のWBCに向けた強化試合で打線のど真ん中に座る。
「4番というのは特別な打順。選ばれた打者だけが座る場所だと思う。侍ジャパンの4番の責任は計り知れない。今は正直、どんなものなのか想像さえつかない。ただ『怖い』とか『逃げたい』という感覚はない。任せてもらえるのであれば全うしたいという気持ちは強く持っている」
今季110打点、44本塁打の2冠。強打を球界に誇示した。満足感に浸ることはないが、己が進むべき方向は明確になってきた。
「大前提として4番というのは自分から志願する打順ではない。小久保監督、コーチ、チームメート、ファンから認められて初めて任せてもらえると思っている。自分の中でテーマとしている『圧倒する』ということが出来れば、4番打者の理想像に近づける」
WBCの過去3大会で4番を務めたのは、松中、城島、稲葉、村田、阿部、糸井の6人だけ。当時28歳だった村田が唯一の20代で、24歳の筒香は史上最年少で重責を背負うことになる。
「まだまだ僕は途上の中にいる。もっとうまくなりたいし、成長したい。トップ選手がそろう代表チームで『4番』として戦い抜くことが出来れば、今まで見たことのない景色、感じたことのない感覚が生まれるはず。極端に言えば楽しみに変えなければいけない」
強化合宿直前に食事に出掛けた先で偶然、巨人阿部と遭遇した。数分ほどの会話だったが、がっちりと握手を交わし、バトンはしっかりと引き継いだ。
「テレビで見た前回大会の姿も目に焼き付いている。『自分のスタイルを貫け』と声をかけていただいた。偉大な先輩方が築き上げてきた歴史を受け継ぎ、自分たちも次世代につながなければいけない。だから僕は逃げない。覚悟を持って挑戦したい」
強化試合はWBCを見据えた本格的な船出になる。日本野球の誇りを胸に侍ジャパンの4番に座る。【為田聡史】
◆日本の4番打者 プロ選手が参加した五輪、WBC、プレミア12で、日本の4番打者は過去10人起用されている。10人のうち、筒香は最年少。23歳の15年プレミア12で初めて起用され、4番通算3試合で11打数4安打(打率3割6分4厘)だった。



