岡山・倉敷で行われている楽天秋季キャンプの最終クールが始まった15日、安楽智大投手(20)が、今キャンプ初のブルペンに入った。U23W杯に出場したため、10日に合流後は調整を続けてきたが「少しでも遅れを取り戻したい」と、レベルアップを約束する。

 ブルペンで35球。右足の安定感、体重移動の際にお尻から重心を落としていく「ヒップファースト」、フィニッシュでの左足の使い方…。少ない球数のなかでも、安楽は「コントロール、スピード、ボールの伸び。全体的に課題が残る1年でした。キャンプでは、少しでも理想のフォームに近づけたい」と1球、1球、丁寧にボールを投じた。

 投球フォームと同じくらい、フィジカル強化を意識する。「筋肉の量を増やしてエンジンを大きくしないと、1試合投げきれない」。下半身のウエートやランニングの徹底は、投球フォームの安定につながる。

 U23W杯の経験も必ず生かす。2試合に先発し1勝1敗、防御率3・86。「課題ばかりでした」と反省を口にするが「悪い中でもどう考えて投げるかが大事。この経験を生かしていきたい」と、マウンドでの前向きな思考を学んだ。与田投手コーチは「経験と言えるのは、今後の結果次第。簡単に言えるほどこの世界は甘くない」と、あえて厳しい言葉で奮起を促す。安楽は変わった-。残りのキャンプ、安楽は妥協せず力を蓄える。【田口元義】