日本ハム斎藤佑樹投手(28)が、来季7年目への覚悟を決めた。29日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、4年連続の減俸となる、300万円ダウンの2000万円(金額は推定)でサインした。3季ぶりに未勝利に終わり、「目標とか言う感じじゃない」と、なりふり構わず臨む。今季手応えを感じたフォークボール中心の投球に磨きをかける。

 斎藤は4年連続の年俸ダウンにも、納得の表情を浮かべた。2000万円の提示にサイン。3年目の3500万円から減り続ける。登板11試合で0勝1敗。開幕1軍から漏れ、右肩関節唇損傷で登板1試合だった13年以来の勝ち星なしに終わった。「下がったことについては当然だろうなと思う」と言い切った。

 気持ちはすでに切り替えている。戦える武器に気づいた。今季から多用したフォークボールが光明だ。「使えたボール」と手応えを話し、「それを軸に」と来季を見据える。今オフのテーマも「真っすぐとスライダーを自分の中で追求」と課題を明確にしている。「ほかのボールがもっと使えないとフォークが使えない」。フォークを決め球にするためにも、直球などの精度アップを目指していく。

 覚悟は決まっている。先発へのこだわりはない。今季序盤は、昨年転向した中継ぎでのスタートだったが、中盤で先発に復帰した。白星を挙げられず、再び中継ぎへ。4度の選手登録抹消があり、2軍での調整を積んだ。「もうやるしかないので。与えられた場所でやるだけです」。マウンドで最高のパフォーマンスを発揮するだけだ。

 チームが10年ぶりに日本一に輝いても、「自分自身活躍できず、すごい悔しい気持ちだった」と素直に喜べなかった。勝負の7年目、目標はあえて封印。「目標とか言う感じじゃない。1試合でも多く投げて、1試合でも多く勝ちたい」。素直な思いに決意が込められていた。【保坂果那】