【カロリナ(米自治領プエルトリコ)9日(日本時間10日)=為田聡史】巨人岡本和真内野手(20)が3年目の来季へ向け“新成人の誓い”を立てた。ウインターリーグが行われているプエルトリコに派遣されている若き主砲はサントゥルセ戦に「7番・三塁」でスタメン出場。2回の第1打席で右前打をマークした。来季から左翼にコンバートされる可能性があるが「打たないと何も始まらない」とピシャリ。今オフは母校の智弁学園で徹底的にバットを振り込み「怪童」の原点に戻る。

 たくましく、勇ましく。岡本がプエルトリコの地で来季のあるべき姿を見いだした。2回無死、外角低めの速球に食らいつき右前にはじき返した。カロリナのえんじ色のユニホームがすっかり板についてきた。額に汗をにじませながら真顔で言った。「こっちに来てから自分にはアグレッシブさが足りないと思った。隙あらば次の塁を狙うとか、頭からベースに飛び込むとか…。性格は簡単には変わらないけどプレーの姿勢は変えられる」。その姿には、どことなくすがすがしさが漂っていた。

 来季は首脳陣から左翼で起用する可能性も伝えられた。高校3年の春季大会、近畿大会で経験しているだけに大きな戸惑いはない。「三塁でも左翼でもチャンスをもらえれば挑戦したい。自分はどこの守備位置ではなく、バッターボックスに立ちたい。そのために必要なことは何でもやります」。口をついた決意には、スラッガーとしての究極の本音がにじみ出た。

 帰国後の自主トレは、スラッガーとしての土台を築いた場所に決めた。昨オフは村田、長野、坂本らと米グアムに渡ったが、今オフは歯の治療もあり、海外での自主トレを断念。1月中旬まで母校の智弁学園の室内練習場にこもってバットを振り込む。「去年は先輩に連れていってもらってすごく勉強になった。その経験も生かしてトレーニングしたい。高校時代を、もう1度、思い出したい」と単独での“振り込み合宿”を敢行する。

 打てなければ何も始まらないことは分かっている。「1軍で出たいと思うだけじゃだめ。もっと、ガツガツさがないと。オフは納得するまで振り込んできます」と泥くさく、がむしゃらな姿勢を強調した。プエルトリコで立てた少し早めの新成人の誓いは、プロ野球選手としての決意表明でもあった。