ソフトバンクは最大11・5ゲーム差を日本ハムに逆転され3連覇を逃した。歴史的V逸の悔しい1年だったが、収穫もあった。

 ◆若手投手陣の台頭

 2年連続2桁勝利14勝の武田がエース格となり、先発転向した千賀が12勝3敗と1年間ローテーションを守った。12年ドラフト1位の東浜は工藤監督がシーズン中も厳しい筋力トレーニングを課すことで、直球の威力、スピード、スタミナなどがアップ。9勝を挙げた。同じく鍛え続けた岩崎はリリーフでの適性を見せた。今季は育成の方針だった新外国人のスアレスが活躍。球団新となる最速161キロをマークするなど、剛速球で8回の男として信頼を得た。58試合に投げ2勝26ホールド1セーブを挙げた。

 V逸の課題は多い

 ◆李大浩の穴 15年に31本塁打を打った李大浩がいなくなり、15年は141本(パ1位)だったチーム本塁打が16年は114本(パ3位)に。27本も減少した。過去2年2軍で成績を出していたカニザレスは期待はずれ。だが、前半戦、チームが好調過ぎたため、新助っ人を補強しなかった。このことが終盤戦に響いた。17年はロッテからデスパイネの移籍が決定的。ジェンセンという左投げ右打ちの外国人も獲得し、長打力不足は解消できそうだ。

 ◆捕手陣 36歳の細川、35歳の高谷、鶴岡が主力として本塁を守る。投手のクイックも関係してくるため捕手だけの責任ではないが、盗塁阻止率は2割6厘とリーグワースト。3割5分9厘と刺していた細川が抜けるのは、リード面だけでなく痛手となる。

 ◆同点のサファテ 43セーブを挙げた守護神サファテだが、なぜか同点の場面で出ると打たれてしまう。同点の場面で登場し7敗もしてしまった。「同点だと並みの投手になってしまう。もっと負け数が少なかったらチームの順位は違った」と本人も反省。森、五十嵐、スアレスらにも終盤疲れが見えただけに、来季は中継ぎの再整備が必要だ。【ソフトバンク担当=石橋隆雄】