赤備えで出陣じゃ! 阪神ドラフト1位の白鴎大・大山悠輔内野手(22)が戦国武将のように赤色を身にまとってプロの世界で戦う。6日、他の新人7選手と兵庫・西宮市内の「虎風荘」に入寮。期待の大砲候補が大事そうに持ち込んだのは、こだわり抜いた赤グラブだった。

 「好きな色を取り入れました。自分は赤が好きなので、それに近づけるような色です。赤を身につけるとすごく力が出る」

 入寮に合わせて特注したのは、赤茶色のグラブ。大学時代から使用する黒色ベースに赤色のウェブ、ラインが入るグラブとともに、2つの「赤グラブ」を大事に新居に持ち込んだ。

 グラブだけではない。手袋や練習着など、大学時代から道具には赤色を好んで使ってきた。昨秋に阪神入団が決まってからは、用具メーカーと話し合い、レガーズや肘当てなどにも赤ラインを入れることを検討。ルール上、バットを真っ赤にはできないが、全身が赤に染まる可能性もある。阪神では、新庄剛志や赤星憲広が赤をトレードマークに一時代を築いた。大山にもレッド旋風再びの期待だ。

 全身が赤と言えば、NHK大河ドラマ「真田丸」で話題になった戦国武将の真田幸村は、赤備え甲冑(かっちゅう)で戦ったことで有名。2月1日の春季キャンプで1軍スタートが内定している大山も戦闘モードだ。「1日1日が大事になると思う。2月1日のキャンプインに向けてできることをしっかりとやっていきたい」。レッド大山が沖縄で暴れ回る。【桝井聡】

<赤をシンボルカラーとした主な選手>

 ◆川上哲治 戦後再開されたプロ野球で赤いバットで快打を連発。大下弘の青バットと人気を二分した。野球を国民的スポーツへと押し上げる活躍を見せた。

 ◆柴田勲 赤手袋が代名詞。塁上で目立つ赤でバッテリーに重圧をかけた。快足走者の代名詞になり、スタイルをマネる少年も続出。通算579盗塁は歴代3位で、セ・リーグ最多。

 ◆新庄剛志 グラウンドではリストバンド、球場外ではセーター、マフラーなど私服にも赤を好んだ。愛車フェラーリも赤。メジャーではチームカラーと異なり封印。国内復帰した04年日本ハムで再び赤を使用。