「魔の6回」克服の秘策は、アオヤギ体操!? 阪神青柳晃洋投手(23)が今季からイニング間に、ドジャース前田健太投手(28)流の調整法に挑戦することを10日、明かした。6回は、昨季先発試合の全29失点中で9失点も記録した魔のイニング。今季先発ローテ候補にも上がる変則右腕が、マエケン体操ならぬアオヤギ体操で飛躍を図る。

 鬼門攻略へ。青柳が新たな調整法に挑戦する。「クオータースロー」が手本とするのは、米メジャーで大活躍している、日本を代表する本格派投手の動きだった。

 「WBCに参加した高代さんが、『マエケンは5回と6回のインターバル中にベンチ裏で体操やストレッチをしていた。投げなくても調整する方法があるんだよ』と教えてくださって。今年はそういうのを試してみたいと思います」

 青柳が取り組むのはドジャース前田流の調整法だ。前田は球数制限のあるWBCで肩の消耗を避けるため、キャッチボールではなくストレッチや体操で体を温めて投げられる体調を整えていたという。13年WBCに内野守備・走塁コーチとして参加した高代ヘッドコーチから助言を受け、青柳は取り入れることを決めた。

 事実、青柳は昨季の先発試合の全29失点中、6回に3分の1近い9失点を記録している。苦手を象徴する試合が昨年7月28日、甲子園でのヤクルト戦。5回まで2安打1失点と好投していた。だが、6回先頭から3者連続四球と突如大崩れした。そのときは味方打線が5回裏に約40分の攻撃で大量5得点。その後のイニング間整備も重なり、登板まで大きなインターバルができたが、青柳はベンチの後ろに座り戦況を見守っていたため、体が冷えてしまったという。

 今季は金本監督から先発ローテ5番手としての活躍が期待されている。ルーキーイヤーと同じ過ちは繰り返すことはできない。苦手としている6回の入りを、体操やストレッチで体を動かし続けて臨むつもりだ。

 「第1クールから紅白戦もあるということなので。2月1日には投げられるようにしたいですね」

 高速クイックや新球カーブを習得と成長著しい23歳。次はマエケン流調整法で6回の壁を乗り越え、目標の2桁勝利を目指す。【梶本長之】

 ◆青柳魔の6回以降 青柳は昨季先発した12試合で、6回以降の防御率が10・00。5回までの2・01から、大幅に悪化している。6回からはとりわけ、四死球が急増。打者44人に対し四球9+死球4の計13四死球と打者3・4人に1個。5回までは7・2人に1四死球だから、後半のハイペースは際だっている。

 ◆阪神青柳の今オフ主な動き 16年秋季キャンプでは課題のクイック克服のため「スーパークイック」を練習。見事習得し、投球開始から捕手捕球時まで常時球界トップクラスの1秒を切るまでに成長。11月末からは台湾ウインターリーグに参戦。主に先発として3勝1セーブ、防御率1・45と大活躍し、最優秀投手に選出された。