カトケンが球団の顔になる。昨季限りで現役を引退した元巨人捕手、加藤健氏(35=新発田農出)が16日、BCリーグ新潟の球団社長補佐に就任し、ハードオフ新潟で就任会見を行った。2月から本格的に業務に携わる予定で、少年野球教室「野球塾」での指導、講演活動、チーム編成など、故郷でフロント業務全般に関わっていく。巨人で過ごした18年間のプロ野球生活で培ったものを、県野球界発展のために生かす。

 大役を引き受けた加藤氏は爽やかな笑顔を見せた。会見の冒頭、BC新潟の池田拓史社長(35)が「役職は球団社長補佐をお願いしました」と紹介。「もっと頑張らなきゃと思っています」という加藤氏の表情は、楽しみと責任感に満ちていた。

 最初の仕事は、2月に行う野球塾で少年たちへの指導になる。他にも、講演会や野球教室開催なども計画されている。シーズンが始まればチームの試合を見る。プロで18年間の経験を生かし、戦力分析や編成も担う。現場で指導する予定はないが、「もし何か聞かれたら」と選手からアプローチがあれば、アドバイスも考えている。

 新発田農3年で甲子園に春夏連続で出場。巨人では阿部慎之助(37)の陰に隠れながらも、第2捕手としてチームを支えた。新潟での人気は、引退した今も高い。池田社長は「県野球界のトップ中のトップを走ってきた方。県民の皆さんに野球の楽しさを伝えていただきたいです」と期待した。抜群の知名度は、BC新潟をアピールする武器でもある。 今後は、自宅のある首都圏の他に、新潟市にも生活の拠点を置く。月の半分は新潟に滞在するつもりだ。「高校を卒業してプロに入ったので、実は新潟のことはよく分からないんです」と苦笑い。新潟の野球事情とともに、街の情報も仕入れるつもりだ。

 昨年11月の12球団トライアウト(甲子園)で池田社長からあいさつされた。その後、会食や話し合いを重ねた。現役引退の意思を固めたのは年末。年が明けてフロント入りを受託した。「BCを強くして、新潟の野球を盛り上げたい」。これからは故郷のために情熱を注ぐ。【斎藤慎一郎】

 ◆加藤健 かとう・けん。1981年(昭56)3月23日生まれ、新潟県聖籠町出身。ソフトバンク松坂らと同学年の「松坂世代」の1人。新発田農3年の春夏甲子園に主将で出場。98年ドラフト3位で巨人に入団し、昨季まで18年プレー。186センチ、93キロ。右投げ右打ち。