吉兆のトリプルスリー発進だ! ヤクルト山田哲人内野手(24)が1日、沖縄・浦添キャンプのフリー打撃で「3」を並べた。「屋外で打ったのは今年初めて」という39スイングのうち、ヒット性の当たりは13本。打率3割3分3厘で、柵越えも3本マークした。縁起の良いキャンプ初日にも「疲れました。(WBCに向けて)早く仕上げるつもりだったけど、頑張ります」。満足する様子はなく、全体メニュー終了後も室内練習場でバットを振った。

 一撃でスイッチが入った。序盤はタイミングが合わずに詰まり、右方向へのファウルを連発。「アーッ」と声を出して手を痛がる場面もあった。快音が出ないまま迎えた12スイング目。センター方向に鋭いライナーを飛ばすと、打球が変わった。外野フェンス付近への当たりを連発し、24スイング目に左翼に初の柵越え。それでも「まだキレがない。振り込んでいけばいくほどスイングも速くなると思うので、数をこなしていきたい」。居残りでの打撃練習を終え、球場を後にしたのは午後6時前。WBCでの世界一と、3年連続トリプルスリーにかける強い意気込みの表れだった。

 昨年のキャンプは腰に不安を抱え、初の屋外フリー打撃は2月3日だった。守備の強化を重視したこともあり、杉村チーフ打撃コーチとのティー打撃は同23日に開始した。今年は6日からの第2クールでティー打撃に着手する。「ポイントや軌道の確認もできる。コンディションMAXに持って行けるようにやっていく」。この日、WBC球を使用したのはキャッチボールだけ。13日の対外試合初戦から、侍バージョンの強打を披露する。【鹿野雄太】