プロ野球のキャンプ8日目! 担当記者が選んだ「今日の一番」を紹介します。
広島鈴木誠也ロングティーでファン魅了
球団関係者がこぼした。「ロングティーでお金取れるよ」。2日連続で行われた強化メニューのロングティー。
2日連続で、今日の一番は鈴木誠也外野手(22)だ。「死に物狂い」の表現がここまで似合う選手はいない。「オラッ!」、「クソー!」など声にならない声を絞り出す。飛距離は他の選手の群を抜く。バックスクリーンに直撃させる大飛球や、右中間にあるスコアボードにもぶち当てた。推定130メートルは飛んでいるであろう特大の打球を「行けー!」と叫びながら打ち続けた。
観客席も息をのむ。雑談はなくBGMがただ、静かに聞こえる。そこに誠也の叫び声。シート打撃での結果を踏まえ「見逃し三振なんてしてんじゃねーよ!」、「ムカついてきた!」と心の底からあふれる声が響く。スタンドからは自然に「頑張れ!」と声が飛ぶ。柵越えすれば拍手が起こった。一体だった。
衝撃的だったのは「おかわり」だ。柵越えが出来ないと、隣の選手のかごから4球ボールをつかみとった。それを4回続けた。その貪欲さに、2つ隣でトスを投げていた石井打撃コーチも数球のボールを転がした。鈴木に嫌な顔はない。またひたすら振り続けるのだ。
だが、なかなかラスト1球を柵越え出来ない。そして、「おかわり38球目」だった。「これはいっただろ!」と言う東出打撃コーチの声を受けた打球は、バックスクリーン中段に当たって、はねかえった。「ボン」という音は静寂からの解放の合図だった。スタンドは一気に大きな拍手に包まれ、鈴木も両手を挙げて応えた。
自分に厳しく、飾らない、妥協しない。懸命に野球と見合う。その姿は人を魅了する。本物の気配が漂っている。【広島担当 池本泰尚】

- 特打でのロングティーでかごに入ったボールを全て打ち終えた鈴木は物足りなくなりほかの選手が打っていたかごからボールを取りだしてくる(撮影・清水貴仁)
阪神糸原、ドラ1以上!初実戦で二塁打
阪神ドラフト5位糸原健斗内野手(24=JX-ENEOS)が紅白戦でフェンス直撃の二塁打を放つなど活躍をみせた。
4回無死から松田の直球を強振。糸原は「2ボールだったので自分のポイントで打てるよう、積極的に打っていこうと思っていた」と話した。この日はドラフト1位大山悠輔内野手(22=白鴎大)が無安打。糸原がルーキーでは一番の働きだった。【阪神担当 梶本長之】

- 紅白戦4回表紅組無死、左越えに打球を放ち一塁を蹴る糸原(撮影・宮崎幸一)
中日森監督に20分取材、ノート4頁分
中日森繁和監督(62)が8日の練習後、約20分間にわたって記者の囲み取材に応じた。1度の取材時間としては今キャンプで一番だ。記者は細かく詰めてノートに書き留めているが、初めて4ページにおよんだ。“速記”による右手首の張りも一番だった。
北谷キャンプを侍ジャパンの小久保監督が視察。日本代表の平田良介外野手(28)がシート打撃でタイミングよく「満塁アーチ」を放てば、ドラフト2位京田陽太内野手(22=日大)は好走塁連発で猛アピール。高橋周平内野手(23)が足の故障で別メニュー、初のシート打撃で投げた8投手の評価などなど、振るべき話題が一番多い1日だったこともある。
通常の問答だけでなく、朝のジョギングの話、担当記者いじりなど雑談もいつもより長め。一番目指して戦うシーズン中も、名セリフを期待したい。【中日担当 柏原誠】

- シート打撃を見る森監督(撮影・前岡正明)
ロッテ成田シート打撃で打者5人斬り
ロッテは8日、2軍がシート打撃を行った。一番、目立っていたのは、2年目左腕の成田翔投手(19)だ。
打者5人を4三振、二ゴロと完璧に抑えた。
大木は外角真っすぐで見逃し三振。
柿沼は膝元へのスライダーで空振り三振。
猪本は内角真っすぐで空振り三振。
脇本は低めスライダーで二ゴロ。
香月は外角低めのスライダーで空振り三振。
ルーキーだった昨季は夏場に左肘に炎症が出て、1カ月ほど投げられなかった。それからはインナーを鍛えるなどして筋力アップ。体重も増え、75キロを維持している。
「今日は空振りも、ファウルも思うようにできました。自分の有利なカウントで投げられたのが収穫です」と納得できた。台湾・ラミゴとの試合(11、12日)に登板予定。1軍昇格へ、アピールのチャンスだ。【ロッテ担当 古川真弥】

- 2軍のシート打撃で投球するロッテ成田(撮影・江口和貴)
日本ハム石川直、栗山監督の“期待星”
日本ハム石川直也投手(20)が、米アリソナ州ピオリアキャンプの7日(日本時間8日)、フリー打撃に登板した。
近藤健介捕手(23)を相手に24球を投げて、安打性の打球は2本だけ。ボール球も2球と制球も安定していた。「直球で押せて感じがよかったです。ファウルも取れましたし、どんどんアピールしていくしかない」。打撃ケージのすぐ裏で見守った栗山英樹監督(55)も「空振りを取る感じ、すごくよかった。楽しみ」。1軍登板わずか1試合の高卒3年目右腕が、この日一番の“期待星”に輝いた。【日本ハム担当 本間翼】

- 気合を込め投げ込む育成出身4年目の右腕石川(撮影・梅根麻紀)
DeNA尾仲、助っ人斬りに監督も驚き
DeNAのドラフト6位尾仲祐哉投手(22=広島経大)が、今日1番のアピールを見せた。フリー打撃で登板し、エリアンとシリアコを2安打に抑えた。最速は147キロをマーク。
アレックス・ラミレス監督(42)も「予想以上。驚いた」とうれしい悲鳴。尾仲は「まっすぐが外国人にどこまで通用するか意識して、ほとんど直球を投げました」。大学リーグでは三振の山を築いて「ドクターK」の異名を持ち「三振を取る投手に魅力を感じている。プロでも少しでも取れるようにしたい」と意気込んでいた。【DeNA担当 栗田成芳】

- 特打でのロングティーでかごに入ったボールを全て打ち終えた鈴木は物足りなくなりほかの選手が打っていたかごからボールを取りだしてくる(撮影・清水貴仁)
ソフトバンク上林、柳田より先に場外弾
ソフトバンク上林誠知外野手(21)が、フリー打撃でチーム初「場外弾」を突き刺した。
岩崎の直球を右翼へ。芝生席を越え木に直撃させた。その前にバットを岩崎に折られ、約1キロのマスコットバットで打った。「マスコットの方が重いので、当たったら飛んでいく。(岩崎)翔さんのボールの力を借りて、勝手に飛んでいった」と謙遜するが、軸足の左足に重心を残す打撃で今季は格段に飛距離がアップしている。【ソフトバンク担当 石橋隆雄】

- ロングティーで快音を響かす上林(撮影・梅根麻紀)
ヤクルト石山、初球いきなり144キロ
ヤクルト石山がフリー打撃に初登板し、広岡への初球で最速144キロをマーク。ほとんどバットに当てさせない快投を見せました。
12年のドラフト1位右腕は「140キロは出したかったので、とりあえずよかったです」と笑顔。見守った真中監督は「この時期は投手有利だけど、広岡をきりきり舞いにしていたね。ボールも強いし、先発ローテ入りを十分に期待できる」と評価していました。【ヤクルト担当 鹿野雄太】



