育成出身の4年目右腕、ソフトバンク石川が開幕1軍へ向け好アピールした。7日、主力打者相手の打撃投手を務め、長谷川、中村晃、牧原の左打者3人に71球を投じた。最後はバテたが、長谷川には24球で安打性は2本、中村晃には23球で安打性4本に抑えた。「いい感じ。いい高さに投げられている」と、本人も納得の内容だった。

 初のA組に抜てきされたキャンプ初日は緊張からか、投球フォームがバラバラだった。下半身だけひねる「プチトルネード投法」にし、制球力と自信を取り戻した。創価大から13年育成ドラフト1位で入団した時はトルネード投法だった。肩、肘などに負担が大きく故障続きだったため、フォームを修正していた。「下半身にも力が入るし、骨盤の動きもいい」と下半身だけ、慣れ親しんだ投げ方に戻した。

 倉野投手統括コーチは「(打撃投手をした)今日の4人のうち一番速いんじゃないか。球の質は1軍の中でもトップクラス」と目を細めた。工藤監督も「あれくらい強い球は投げられるんだよ」と高評価した。まだ投げるスタミナが不足していることは本人も実感している。最速153キロの直球とスライダー、フォークで中継ぎの一角を狙う。【石橋隆雄】

 ◆石川柊太(いしかわ・しゅうた)1991年(平3)12月27日、東京生まれ。総合工科-創価大と進み、13年育成ドラフト1位で入団。3年目の昨年7月、支配下選手登録。昨季は2軍で9試合に投げ、4勝0敗、防御率3・00。33イニングで31三振を奪った。184センチ、83キロ。右投げ右打ち。推定年俸500万円。