プロ野球のキャンプ22日目! 担当記者が選んだ「今日の一番」を紹介します。


松坂、実戦登板へ遠投100m

 ソフトバンク松坂大輔投手(36)が22日、この日投手陣の中では最長となる約100メートルの遠投を行い、実戦登板に備えた。

 この日も8日連続でブルペン入りはなかったが、キャッチボール後、投内連係のメニューを終えると、五十嵐とともにキャッチボールを再開。距離を約100メートルまで伸ばし、力強く投げ続けた。

 23日にはブルペン投球を再開する予定。その後は状態に問題がなければ、25日に行われるB組の巨人2軍戦で今季初の実戦登板に臨むことが濃厚。「予定ではそのつもりです」と明かした。

 16~19日の第4クールでは計3日間のノースローで疲労回復を優先させたが「(ペースダウンは)体の疲れというより、肩、肘を考えてのものだったので」と話しており、第5クールでは再びペースを上げている。【ソフトバンク担当 福岡吉央】

サブグラウンドでキャッチボールをする松坂大輔(撮影・今浪浩三)
サブグラウンドでキャッチボールをする松坂大輔(撮影・今浪浩三)

オリックス金子、1球の精度へこだわり

 こだわり一番といったところか。オリックス金子千尋投手(33)がシート打撃に登板。13打者に対し、3安打4奪三振と快投を演じた。

 杉本を空振り三振に仕留めた変化球、ロメロを見逃し三振に斬った直球。モレルを見逃し三振とした鋭く曲がる変化球…。いずれも見ている者をうならせる球だったが、中でも左打者の駿太の内角を突いたツーシームが抜群だった。内角ボールゾーンからストライクゾーンへ。低めに沈む球に駿太は反応できず見逃し三振となった。

 「もう少しいけるのか、どこから曲げるのか…」。そんな言葉を発したのは金子本人。よりボールゾーンから曲げてもストライクと判定されるかといった意味だと見て取れた。この1球かは定かではないが、審判団にもストライクゾーンを確認したもよう。

 このこだわりが、1球1球の精度を上げていく。【オリックス担当 松井周治】

今キャンプで初めてシート打撃に登板した金子(撮影・奥田泰也)
今キャンプで初めてシート打撃に登板した金子(撮影・奥田泰也)

広島東出コーチ、ノロ危機救う最多投球

 広島の沖縄2次キャンプ初日に一番投げたのは東出輝裕打撃コーチ(36)だった。日南キャンプ中に打撃投手、ブルペン捕手らスタッフ6人がノロウイルスに集団感染。まだ沖縄入りできずにいる。

 カバーするために、日南では石井、迎の両打撃コーチも打撃投手を務め、かつて敦賀気比のエースとして甲子園で活躍した東出コーチも“登板”。ランチタイムの打撃練習に続いて、最後の特打まで投げ抜いた。疲れも見せず、抜群の制球力で各打者を気持ちよく打たせた。同コーチは「早く帰ってきてもらわないとね」と腕を回していた。【広島担当 柏原誠】


中日京田が感激「荒木さんとゲッツー」

 中日のドラフト2位京田陽太内野手(22=日大)が22日、ベテラン荒木との併殺を完成させ、感動していた。

 2軍練習試合の韓国・LG戦(読谷)に「1番・遊撃」でスタメン出場。荒木と2度目の二遊間を組んだ。京田は「今日の一番は荒木さんとゲッツーが取れたことです」と笑顔で振り返った。

 3回の守備。1死一塁から1番打者の打球が遊撃京田のもとへ。軽快に処理し、二塁ベースカバーの荒木へ送球。遊ゴロ併殺を完成させた。ルーキーは「今までテレビで見ていた人。しかもゴールデングラブも受賞している。まさかゲッツーが取れるとは」と興奮していた。

 収穫も大きい。「ポジショニングもいろいろ指摘してもらった」。生きた教材との空間が、一番の成長促進剤になっている。【中日担当 宮崎えり子】

7回裏中日無死三塁、右中間へ適時三塁打を放つ京田(撮影・今中雄樹)
7回裏中日無死三塁、右中間へ適時三塁打を放つ京田(撮影・今中雄樹)