プロ野球のキャンプ23日目! 担当記者が選んだ「今日の一番」を紹介します。


岸田1球だけのワインドアップに苦笑

 オリックスの1、2軍合同紅白戦が23日に行われ、紅組先発の岸田護投手(35)が「ワインドアップは1球だけの命でしたね」と苦笑い。2軍在籍するベテランは登板後の投手の中で、一番恥ずかしそうにしていた。

 今季から先発再転向。キャンプ初の実戦マウンドに立ち、ワインドアップ投法を披露した。昨年まで無走者でもセットポジションから投げていた。「(ワインドアップは)1回だけブルペンで練習した。行ったれと思って」とほぼぶっつけ本番。だが初球に西野に三塁打を許し、2球目からセットに。2回は「立ちやすいから」と無走者でもセットに戻した。

 結局、2回を3安打も無失点。まずまずの内容で終えた。「球速以上に球の回転も良かったし(打者を)差し込めていた」と納得顔。福良監督も「良かった。好調を維持してるんじゃないか」と評価していた。【オリックス担当 大池和幸】

紅白戦2回を投げ2回を投げ無失点に抑えた岸田護(撮影・奥田泰也)
紅白戦2回を投げ2回を投げ無失点に抑えた岸田護(撮影・奥田泰也)

ヤクルト雄平、実戦初打席で豪快弾

 ヤクルト雄平外野手(32)が23日、今季初実戦初打席の初球をバックスクリーン左に運ぶ1号アーチを放った。

 楽天との練習試合に「3番右翼」で出場。「緊張したけど、始まりから気持ちが引くのは嫌だった」と、豪快にバットを振り抜いた。2打席目は四球で交代。

 雄平は「(本塁打は)風とか運もあるし、いろんなものがかみ合った。2打席で判断したくないので、これからもしっかり練習していきたい」と引き締めた。

ヤクルト対楽天 1回裏ヤクルト2死、先制本塁打を放つ雄平(撮影・野上伸悟)
ヤクルト対楽天 1回裏ヤクルト2死、先制本塁打を放つ雄平(撮影・野上伸悟)

広島メヒア2ラン含む3安打、監督も◎

 韓国・KIAとの練習試合で20安打15得点した。ヒーロー乱立の中で、一番目を引いたのは間違いなく広島アレハンドロ・メヒア内野手(23)だった。育成契約の来日2年目。「6番一塁」で先発すると2回の最初の打席で左翼に2ラン。フル出場して3安打と爆発した。

 緒方監督も「いいよね。実戦向き。練習では見栄えはあんまりだけど、それは実戦を想定して打っているから。経験が少ないからこういう場を大切にして、吸収してほしい。(育成のバティスタと)2人とも年々、すごいスピードで成長している喜びがあるよ」と目を細めた。

 外国人枠に食い込むのは簡単ではない。投手に3枠を使うと仮定すれば、1軍野手の枠は1つ。実績のある大砲エルドレッドと、両打ちで内野守備に定評がある新外国人ペーニャという壁がある。192センチ、102キロの巨体から繰り出すスイングは、どこの大物メジャーかと見まがうほど。西武メヒアにも負けないスケールの「赤メヒア」にも注目だ。【広島担当 柏原誠】

広島対KIA 2回裏広島無死二塁、メヒアは左越え先制2点本塁打を放つ(撮影・前岡正明)
広島対KIA 2回裏広島無死二塁、メヒアは左越え先制2点本塁打を放つ(撮影・前岡正明)

阪神原口、肩の不安拭い去る二盗阻止

 阪神原口文仁捕手(24)が23日、肩の不安を拭い去った。

 ケース打撃の練習でマスクを被ると無死一塁の場面。打席の今成がエンドランを空振りすると、二塁へストライク送球でアウトにした。原口は「あそこにいっているということはセーフ、アウトにかかわらず良かった」と笑った。

 今季は捕手、一塁手の両にらみでキャンプを迎えているが、捕手へのこだわりは人一倍だ。不安のあった右肩もトレーナーと二人三脚で強化。捕手でレギュラー定着を目指して鍛錬を重ねる。【阪神担当 桝井聡】



ソフトバンク城所、昇格に備えて待機中

 ソフトバンク城所龍磨外野手(31)がB組の楽天2軍戦に1番中堅で先発出場し、2安打2盗塁と存在をアピールした。

 初回、初球を打って右前打で出塁すると、続く川瀬の打席で初球に二盗。4番鶴岡の投失の間に先制のホームを踏んだ。2打席の2回にも2死一塁から中前打で出塁し、再び二盗にも成功。3打席目は二ゴロに倒れたが、切り込み隊長として積極性のある打撃をみせた。

 昨年、交流戦でMVP獲得も、今キャンプはここまでB組で、A組への昇格に備えて待機中。「ファーストストライクから積極的に打っていこうと思っていた。僕は(ボートレースに例えるなら外野手争いで)まだ8号艇。まずは(レースに出場できる)6号艇までに入れるように、チャンスが来た時に1軍レベルで結果が出せるように準備したい」と話した。【ソフトバンク担当 福岡吉央】