中日の新外国人アレックス・ゲレーロ内野手(30=ドジャース3A)はグレート・ティーチャーだった。2月28日、札幌ドームでのチーム練習に参加した助っ人は、遠藤一星内野手(27)の求めに応え、冬期集中講座を開講した。

 「人それぞれだけど、僕はこうしているよと伝えたんだ。僕にできることは何でもやる。チームで高め合えたらいい。その代わり、自分が間違っていたら教えてほしいね」。弟子入り希望者はウエルカムだ。

 人という字は~とは言っていないが、教壇ならぬグラウンドで授業は始まった。重心からフォロースルーの角度まで、身ぶり手ぶりで熱く説明。ゲレーロを「マエストロ(巨匠、職人)」と称した遠藤は「あれだけパワーがあるけど、細かいことにこだわりがある。どの球種にも対応する。意識をレクチャーしてもらいました」と感謝した。

 実は、じわじわと生徒を増やしている。阿部はキャンプ中に助言を請うと「通訳がいるから何でも聞いてくれ」と言われた。ゲレーロは沖縄で出場した実戦で11打数7安打、3本塁打、9打点。圧倒的な実力を見せ続ける長距離砲に、選手から「今でしょ!」とトライを始めている。

 フリー打撃では左右に大飛球を打ち分け、力を入れた打球は広い札幌ドームでもフェンスオーバーした。生きる手本として相変わらずの存在感を放つ。「狭い球場だと打ってやろうとなって、逆にミスをする。しっかり捉えればどこの球場でも入る。自分のスタイルを崩さないことが大事」。さりげない説明も今のゲレーロ先生が言えば名セリフになる。【柏原誠】