開幕投手を務めるソフトバンク和田が万全調整をアピールした。日本ハム戦で4回2安打0封。「まだまだ納得できるボールは少なかった」と反省したが、仕上がりは順調そのものだ。

 3回からは今季から改良したカーブも使った。中島を追い込むと、2球続けてカーブを投じて空振り三振。“ファウル打ち名人”のバットに当てさせなかった。「昨年まであまり投げなかったカーブもあるぞというのを見せられた。カーブがよくなった影響で、スライダーも曲がるようになってきた」。カーブの投げ方を変えたことで、スライダーの切れ味が増す相乗効果も生まれた。

 ただ最速の140キロが1球だけで、スピードもキレも納得はしていない。2回のピンチも体が開くなどフォームの乱れから招いた。「まだいい状態にはなっていない。あと2試合あるので」。球数、イニングを増やして31日のロッテ戦に備える。オープン戦残り2試合の登板が開幕と同じヤフオクドームというのも追い風。2月21日、和田の36歳の誕生日に開幕投手を伝えた工藤監督も「いい調整ができている。本人に任せている」と全幅の信頼だ。

 昨年、和田は肘を痛めて大事な終盤戦で投げられずV逸した。だが日本ハム戦は6試合で4勝1敗の好成績。「日本ハムは避けては通れない。お互い本来のメンバーではないが、抑えられてよかった」。昨季の日本一軍団にも嫌なイメージを植え付け、和田健在を示した。【石橋隆雄】