巨人が2試合連続1安打負けを喫した。前日11日のオリックス戦はマギーの二塁打だけ。この日も貧打は続いた。

 阪神能見の前に3回2死一塁から1番石川が左翼線の二塁打で先制適時打を放ったのが最後だった。伊藤和、高橋、松田、藤川の前に無音に終わり、2試合連続の完封負けを免れるのがやっとだった。

 高橋監督は「打ってくれないと困るけど、こちらも悪いのかな」と苦い表情。若手を登用しているが結果が出ず、気迫の部分を聞かれると「気迫で打てるなら、そういう人の気持ちは分からない。技術でしょう」と原因を技量不足とした。

 WBC開催で本拠地の東京ドームが使用できず、キャンプ後も長期遠征が続き、練習時間の確保は難しい状況だ。それでも「最初から分かっているし、言い訳にならない。シーズン中も遠征はあるから」と原因とはしなかった。

 試合で良かったポイントは数えられるほど。石川の適時打、育成篠原の好投、育成増田の粘りの四球…。シーズンに向けた“伝統の一戦”の前哨戦として「阪神の歯応えは?」と聞かれると「こんな惨敗して歯応えとか言えないでしょう」と話した。

 試合後は若手が居残りで約30分間の素振りを行った。オープン戦のチーム打率は1割9分9厘に落ち込んだ。WBCに坂本勇、小林を送り込み、阿部、村田はこの日は休養していた。一定の実力のある中堅、ベテランも2軍にいて、若手を登用する機会を確保しているが、3月も中旬に入り、そろそろ結果が求められる。