オリックスが今季を象徴しそうなコツコツ野球で白星締めだ。オープン戦最後の阪神戦は4得点で競り勝ち。4犠打を交えて着実に加点した。「まあ、1点ずつ取っていくしかないからね」と福良監督。2回は相手失策も絡んだ2つの犠牲バントの直後に、西野の2点適時打が生まれた。

 昨季のオープン戦はわずか5犠打。今季は16試合で25犠打と5倍増で、12球団でも断トツだ。シーズンに換算すれば223個ペースで、昨季12球団最多だった日本ハムの178犠打を大幅に上回る。浪速のモーツァルト、キダ・タロー氏もびっくりの犠打多用。春季キャンプから進塁打を含めたチーム打撃を徹底した。この流れは開幕後も続きそうだ。

 オープン戦でチーム最多タイ5犠打を決めた西野は言う。「バントが決まるとベンチも盛り上がるし、次の打者もスムーズに打席に入れる」。1回のバント失敗を反省し、この日の試合後も室内で練習した。

 昨年はオープン戦最下位だったが、今季は投打がかみ合って3位。1位だった05年以来の上位フィニッシュとなった。「オープン戦も勝ちにいく」と勝ちぐせを強調していた福良監督も「ある程度、やろうとしていることはできた」。手ごたえを得て、開幕戦に向かう。【大池和幸】