3本線で「トリプル・トリプルスリー」だ。ヤクルト山田哲人内野手(24)が29日、都内でアディダスジャパンとのアドバイザリー契約を結んだ。同社の野球部門では初めての複数年契約で、20年東京五輪を含む長期契約となる。同社のバットを使用してから成績が上昇し、本人は生涯契約も望む。開幕2日前の練習では志願の特打を行うなど、3年連続のトリプルスリー達成へ調整が進んでいる。

 ロゴマークと合致していた。会見に登場した山田はアディダスの3本線のTシャツにジャケットを羽織り、足元も3本線のスニーカー。2年連続でトリプルスリーを達成した男にふさわしく「3」が並んだ。「アディダスのものを使い始めてから1軍で結果が出るようになった」と14年からサポートを受ける同社への絶大な信頼を口にした。

 異例の大型契約だ。同社の野球部門での複数年にわたる契約は初。20年東京五輪を見据え、全面的な支援を受ける。また商品開発への意見交換も行うなど、幅広く関係を持っていく。具体的な年数や契約金は明らかにされなかったが4年以上は確実。「僕自身はプロ人生でずっとお願いしたい」と生涯契約も望む。

 トリプルスリーを支えている。同社の製品を「デザインがカッコいいし、質がいい」と評価する。例えば現在のバットの素材はメープル。重心を3本線のロゴマーク付近に置き「そんなに飛ばないです。ホームランバッター用でなくヒット用のやつです」とミート力を高めるなど、細かなオーダーを出している。

 援軍を得て気合も十分だ。この日は神宮でのナイター練習で志願の特打。前日に続く打ち込みは「特打で大きいスイングをしておくと調子が良くなってきて、バットスイングが良くなっていくというデータが僕の中にある」と自己分析から実施。気温10度と冷え込む中、力強く振り込んだ。

 今季は1番構想も浮上する。WBC日本代表でも起用されるなど、実績は十分。真中監督も山田の走力とここぞのパンチ力を期待する。山田は「開幕から大事なところを任されると思う。そこで活躍しないとチームが勝てない」と責任感をにじませた。いよいよ明日開幕。「プレーでドンドン引っ張っていこうと思います」と3本線の力を借りて3年連続のトリプルスリーを目指す。【島根純】