日本一奪回へ準備は「すべて」整った。ソフトバンク工藤公康監督(53)は今日31日のロッテとの開幕戦に向け「やることはすべてやり尽くした」と手応えを強調した。新加入のデスパイネを5番に置き、3番柳田から7番松田まで強打者をそろえた17年版の強力打線で、開幕ダッシュを狙う。

 監督3年目の開幕前日の30日、工藤監督は落ち着いていた。「冷めているわけじゃないよ」と笑った。昨年は最大11・5ゲーム差を逆転された屈辱のV逸。悔しさを胸に、秋季キャンプから選手を鍛え上げてきた。

 開幕を前に「やることはすべてやり尽くした」と言えるほど、昨年からのチーム底上げに自信を持つ。WBCベネズエラ代表に参加し右腕を負傷したスアレスは誤算だったが、摂津、松坂がバックアップにまわるほど強力な先発陣を形成。「エース」和田に開幕のマウンドを託す。

 「打線のイメージはできあがっている。お楽しみに」と話した打順は、開幕前日の練習前、円陣でナインに伝えた。長打力不足だった昨年と違い、今季は5番にデスパイネが座る。6番にポイントゲッターとして中村晃を入れる。7番松田まで気の抜けない打線となり、代打には長谷川勇も控える。オープン戦では12球団トップの31盗塁をマーク。積極走塁で得点力も大きくアップしそうだ。

 9番には4年目の上林を右翼で起用する。就任3年目の今季から新たに3年契約を結んだ工藤監督にとって、日本一奪回と合わせ「育てる」も大きな命題だ。工藤監督は「チームとしてバランスも大事。育てたい選手もいる」と、キャンプ、オープン戦で成長してきた上林にチャンスを与える。「私も含め選手、コーチ、裏方、球団の気持ちもひとつになっている。心ひとつに日本一を奪回しないといけない年」。工藤監督自らが選んだスローガン「1(ワン)ダホー!」の心でシーズンへ突入する。【石橋隆雄】