3年連続4回目の開幕投手となった阪神メッセンジャーは、6回途中7安打4失点で、2度目の開幕戦勝利を手にした。気温5度という寒さでの投球にも「心配してられないし、うまく気持ちをコントロールしてマウンドに上がったよ」と心を奮い立たせ、力投した。

 序盤から大量援護をもらった。2回に1点を失うものの、5回2死満塁では4番新井を空振り三振に抑えた。5回まで毎回の8奪三振。だが、リードが7点に広がった6回に落とし穴が待っていた。先頭松山を遊ゴロに打ち取って1アウト…となるはずが、遊撃北條が悪送球。不運な形で走者を出すと、そこから3連打を浴び1点を失った。ここまで125球を投じ、2番手桑原と交代。メッセンジャーは悔しさを押し殺すように、天を見上げた。

 責任感の強い男だ。来日8年目。この日の登板で日本で200試合登板。時には味方のエラーで黒星を喫することもあったが、必ず責任を背負い込んできた。「ミスは誰でもする。それでプレーが消極的になって欲しくない。俺がその後をしっかり抑えたらいいだけだよ」。北條の失策後も、自ら若虎に歩み寄って声を掛け、緊張をほぐした。

 「チームにとって開幕戦で勝つのは大きい。(200試合登板は)記念すべき日。勝ててありがたいね」

 次回は中5日で6日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)が有力だ。ただの助っ人ではない。虎の大黒柱として、今季もマウンドに立ち続ける。【梶本長之】

 ▼メッセンジャーが4度目の開幕投手で白星発進。外国人投手としては、スタンカ(南海61~63年)、ミンチー(広島99年、ロッテ02~03年)を超え単独最多となった。3年連続は最長タイで、スタンカ以来2人目。開幕投手としては13年ヤクルト戦に次ぎ2勝目で、ブロス(ヤクルト96、97年)と並び外国人最多。なお10年の来日以来実働8年となり、バッキー、ウィリアムスの各7年を上回って阪神の外国人選手最長となった。