あと1死まで迫ったオリックス初勝利は、楽天ペゲーロの逆転2ランによって無残に打ち砕かれた。本拠地での同一カード開幕3連敗は、球団では88年の阪急以来。つまりオリックスとなってから初の屈辱だ。「形はつくったけどね…」。福良監督は厳しい顔で言葉をしぼり出した。

 1点リードの9回2死二塁。抑えの平野がペゲーロと勝負したフォークは甘く入り、打球はバックスクリーン上段に消えた。平野が悔やむ。「1発がある打者に抜ける球を投げたのは良くない」。捕手若月も自分を強く責めた。「あのカウント(3-1)になったら、歩かせ(四球)でよかった。僕のミス。フォークならワンバウンドで。もっとはっきりすべきだった」。中途半端な勝負が、完全に裏目に出た。

 8回に2ランを浴びた先発の西を、福良監督は「キレがなくなっていた」とスパッと代えた。送り出したルーキー黒木がきっちり抑えれば、勝利の方程式が確立するはずだった。ただ、黒木が1失点。緊迫する1点差となり頼みの平野が逆転された。今後につながる1勝が、痛恨の1敗に置き換わった。開幕3連敗は阪急時代も含めて過去12度中10度がシーズンBクラス。「切り替えてやっていくしかない」と監督は必死に前を向いた。【大池和幸】