指揮官まで加わる大乱闘の末、虎は屈辱の敗戦を喫した…。阪神のホーム開幕戦となった4日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)は、藤浪が与えた死球をきっかけに大乱闘に発展。阪神矢野作戦兼バッテリーコーチとヤクルト・バレンティンが退場処分を受けた。金本監督も手を出したバレンティンに向かっていく気迫を見せ、チームを鼓舞したが、反撃及ばず3連敗。今季初登板の藤浪は自身ワーストタイの9四死球で降板…。後味の悪いゲームになった。
怒った! 怒鳴り上げた! 地元開幕戦で、大乱闘が起こった。5回だ。藤浪の投球がヤクルト畠山の左肩に直撃。畠山がマウンド方向に歩きながら、にらみつけると、両軍のベンチが空っぽになった。大きな固まりができ、そこにバレンティンが勢いよく突っ込んできた。矢野作戦兼バッテリーコーチが突き飛ばされる。すぐに立ち上がり、跳び蹴りで応戦した。
この場面に、金本監督も激怒した。血相を変え、バレンティンを追いかけた。「横から不意打ちで殴ってきたら、許せないでしょ」。何度もヤクルト側に怒声を発した。高代ヘッドコーチと敵軍の福地外野守備走塁コーチも押し合うなど、複数で小競り合いが発生。最近では珍しいほどの乱闘劇だった。矢野コーチとバレンティンが退場処分を宣告され、警告試合となった。
藤浪の乱調が嵐を呼んだ。初回から制球が定まらない。山田、バレンティンが内角球に思わずのけぞるシーンもあった。5回まで毎回の9四死球。大荒れの投球に、金本監督もぶぜんとした。「ピッチングになってないわね。ストライクが入らんから、どうしようもない」。そんな中、2回には5番原口が左腕に死球を受けた。不穏な空気が球場を包み、一気に5回の死球で両軍の感情が爆発した。「こっちも原口が当てられているわけだから。お返ししたわけじゃないし、勝負の中で当たったんだから」。怒りを抑えながら、指揮官は振り返った。
開幕戦の勝利から一転し、3連敗となった。首脳陣が闘志をあらわにして選手を守ったが、試合の流れは止められなかった。新外国人ブキャナンを攻略できずに2戦連続の1得点。矢野コーチは「考えて、何かをする場面ではなかったし、一番は晋太郎を守ること。その中で、たまたまバレンティンが来たから、応戦した。チームとして、勝ちたかった」と敗戦を悔しがった。金本監督も言う。「その後の松田と球児があれだけのピッチングをしてくれたから、今日は勝ちに結びつけたかった。それだけですね」。やられっぱなしではいけない。怒りを力に変えて、連敗を断ち切りたい。【田口真一郎】



