金本監督待望の長距離砲に育て! 阪神北條史也内野手(22)が、甲子園での巨人戦で1試合2本塁打し、勝利に貢献した。2回に先制の1号ソロを放つと、逆転された直後の7回には芸術的な内角球打ちの同点2ラン。甲子園の巨人戦で1試合2発は、金本が06年に記録して以来11年ぶりで、勢いに乗った阪神は8回、上本の決勝本塁打で今季巨人戦初勝利。勝率を再び5割に戻した。

 北條は心の底から叫んだ。「いけー!」。逆転を許した直後の7回1死一塁。追い込まれてからの内角をえぐるシュートに、腕をたたんでスイング。左翼ポール際に飛んだ打球がフェンスを越え、北條は右手を掲げてガッツポーズした。

 「追い込まれていたし、食らいついていく、それだけでした。体が反応してくれました。打った瞬間いい感じで飛んでいた。(ガッツポーズは)自然と出ましたね」

 値千金の同点2ラン。2回2死には、バックスクリーン左に飛び込む今季1号の先制ソロを放っていた。甲子園の巨人戦で1試合2発。金本監督が現役時代の06年に記録して以来の快挙だ。

 指揮官は「力みでオーバースイングだったので、『コンパクトにバットに当てるだけの感覚でいけ』と言った。その指示を守ったのか分からないが」と笑顔。その上で「3試合ダメだから、すぐに違うヤツ…とはならない選手にはなってきた。そういう評価です」。就任以来、長距離砲の育成をテーマにしてきた金本監督は、「秘蔵っ子」の成長を喜んだ。

 遊撃のレギュラーを鳥谷から奪った昨年、北條はひそかにけがと闘いながら出場を続けた。右足首の捻挫だ。「去年はほんまにやばかった。倒れましたから」と言うほどの重症だった。それでもチャンスをものにしたい一心で、激痛に耐えながら1軍に食らいついた。

 迎えた今季、試合前時点で25打数でわずか3安打。打率も1割2分と不調だったが、復調を印象づける2本のアーチ。「最初全然打てなかった分、これから1打席1打席を大事にして、しっかり打っていきたいです」。若虎の奮闘でG倒に成功。勝率を再び5割に戻した。虎党が待望する生え抜き長距離砲は、順調に芽を出している。【梶本長之】

 ◆阪神金本監督と北條 金本監督初年度の昨季は鳥谷が不振にあえぎ、当時4年目の北條が8月12日中日戦(京セラドーム大阪)以降、遊撃に定着。素質にほれこんだ監督は、17年のノルマに「3割以上で15本」を課した。ただしレギュラーとしては認めず、今年2月の沖縄・宜野座キャンプでは鳥谷との遊撃争いを展開。オープン戦が始まっても好調を維持した北條に、金本監督は「トリ(鳥谷)が7対3で勝っても(起用は)ないぞ、と言っている。(北條は)数少ない右打者で打てるようになった。使わないわけにはいかない」と遊撃で起用する方針を明かした。