楽天が「神神(かみかみ)弾」で昨季日本一の日本ハムに連勝した。6回、カルロス・ペゲーロ外野手(30)がリーグ単独トップとなる5号ソロを右翼にライナーで運ぶ。8回には島内宏明外野手(27)が左翼へ1号ソロを放った。ペゲーロは「神様のおかげ」と言い、島内は「神風が吹いた」とコメント。「神ってる」効果的な2発で、接戦を制した。

 神様がほんの少し、日本ハム有原の制球を狂わせた。1-0で迎えた6回。カットボールが吸い込まれるように真ん中に来た。ペゲーロは逃さない。一振りで仕留め、ライナーで右翼席中段まで運んだ。「いいコンタクトができたよ。神様のおかげだね」。1号からおなじみとなったフレーズで、リーグ単独トップの5号ソロを振り返った。

 5回まで有原の球威に押されていた。特に左打者は内角に食い込んでくるカットボールにことごとく詰まらされていた。「あれは効いたね。相手にとってガクッと来るようなホームラン」。梨田監督が言うように、点差を2点に広げる以上の価値があった。「(先発の)美馬が頑張っていたので何とかしたかった」とペゲーロ。5本中4本が勝利に結び付き、投手陣の「守護神」といえる存在だ。

 島内もまた「神様」に助けられた。3-2と1点差に詰め寄られた直後の8回、日本ハム井口から左翼席最前列へ1号ソロ。この日は右から左へ、強風が吹いたりやんだりしていたが、ドンピシャのタイミングで風に乗せた。「詰まっていたんですが。神風が吹きました」と振り返った。

 ただ、風だけではない。3日前から試合前のティー打撃では重い球を打っていた。通常の硬式球は141・7~148・8グラム。約3倍の450グラムほどの練習球を打つことで、「ちょっと詰まっても押し込める感覚」を養っていた。開幕から乗り切れていなかったが、これで3試合連続2安打以上。「状態は上がってきている。余裕を持って打席に立ってます」。6番島内がポイントゲッターになれば楽天打線はさらに強力になる。【沢田啓太郎】