楽天が今季初の無失点リレーで、4月4日以来2度目の4連勝を飾った。6回3安打8奪三振無失点の辛島航投手(26)を筆頭に、4投手が安定した投球で西武打線に三塁を踏ませなかった。3、4月の勝ち越しが早くも決まり、今日19日にも貯金を2ケタに乗せる。

 大宮公園を心地よく吹き抜ける風が、辛島の心に余裕を持たせた。「レフト方向から吹いていたので、少々打たれても大丈夫かな」。右の強打者が並ぶ西武のラインアップ。だが打者が引っ張っても打球は風で戻される。1発を浴びる可能性は低くなる。左腕を思いきって振れた。

 好調ぶりは立ち上がりで明らかだった。初回1番秋山を内角で見逃し三振。続く源田と浅村は外角の変化球を泳がせた。6回まで、この3者連続を含む8個の三振を奪った。スピードガンの表示は130キロ台半ばながら、のらりくらりと抑えてみせた。これには梨田監督も「嶋の配球もよくて、すごくシマった試合になったね」。ダジャレもキレた。

 辛島の前回登板は開幕2戦目の4月1日。自他共に認める「雨男」は11日の西武戦(福島・郡山)が悪天候中止となり、登板間隔が中16日もあいた。だが「試合に投げるのと同じくらい投げてきたので、いつも通りです」とケロリ。調整の難しさをみじんも感じさせなかった。