苦労人が現状打破の救世主になる。日本ハム村田透投手(31)が明日26日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に先発する。巨人時代は1軍未登板で退団も、活躍の場を求めた米国で実力を磨き、15年にはメジャーデビューも果たした。7年ぶりに復帰した日本球界ではここまで3試合に登板し、防御率1・35と上々のスタート。2度目の先発で白星を挙げ、8連敗中で最下位に沈むチームの起爆剤となる。

 苦境を打破した野球人生を送る村田が、逆襲への流れをつくる。明日26日ソフトバンク戦で今季2度目の先発マウンドに上がる。「後ろに優秀なピッチャーがいっぱいいるんで、それに頼るじゃないですけど、任せるくらいの気持ちで最初から飛ばしていった方がいいんじゃないかと思う」。後先を考えず、行けるところまで目の前の打者に集中する。苦しいチーム状況も、課された仕事を全うすれば打開できると知っている。

 チームは8連敗中で最下位に沈むが、村田も追い込まれた状況からはい上がってきた。07年大学・社会人ドラフト1巡目で巨人入団も、1軍登板はかなわず10年に退団した。トライアウトで大リーグのインディアンスから声が掛かり、マイナー契約で渡米。必死に技術を磨き、海を渡って5年目の15年にメジャーデビューした不屈の精神は、低迷するチームにも必要な人間性だ。栗山監督も「苦労して自分を作り上げてきたところが本物」と、期待する逆輸入右腕なら逆風も変えられる。

 連敗中の先発陣は16日楽天戦のメンドーサを除いて、全て黒星を喫している。まずは今日25日先発の高梨が活路を開き、村田がプロ初勝利となればチームに勢いも出る。「まだ、僕のピッチングに対してバッターも困っている感がある。自分で思い切って行けているんで、変に考える必要はない」と、自信も深めながら臨むプロ2度目の先発。オープン戦、前回登板で好投したソフトバンクを三度ねじ伏せ、重い雰囲気を取っ払う。【木下大輔】