阪神新外国人のエリック・キャンベル内野手(30)が今日25日、1軍に初昇格することが24日に分かった。左手首のけんしょう炎で2軍調整を続けてきたが、すでに実戦復帰。低調気味な打線の起爆剤になる期待も込め、金本知憲監督(49)が決断した。DeNA戦(甲子園)で即スタメン出場する可能性が高い。遅れてきた新戦力が「奪首ウイーク」の使者に指名された。

 注目の新戦力がベールを脱ぐ時がきた。キャンベルの1軍昇格がこの日までに決定。球団関係者が鳴尾浜球場を訪れ、バットなど用具を甲子園に移した。金本監督は「上げるよ。今週は(相手が)左投手が多い。孝介を休ませる時や高山、原口も調子が悪いから」と話した。今日25日のDeNA戦で昇格即初スタメンの可能性が高まった。本拠地でタテジマデビューの瞬間を迎える。

 敵地6連戦を3勝3敗で終え、貯金は3。巨人と同率2位で、首位広島には1・5ゲーム差に迫っている。接戦を粘り強く拾っているが、打線全体を見れば、停滞気味だ。序盤に得点を挙げるが、中盤以降の追加点が得られず、苦しい戦いが続いている。「どこかで乗っていかないと。接戦を勝つのも大事だけど…」と指揮官は言う。

 起爆剤的な役割を期待するのがキャンベルだ。今週は甲子園で6連戦。DeNAは浜口、今永。中日は大野、バルデスと左腕の先発が予想される。先週の火曜日は4番福留に休養日を与えた。DeNAとの初戦には、調子のいい中谷を右翼、キャンベルを左翼で起用するプランが浮上した。

 春季キャンプで左手首を痛め、リハビリが長引いた。4月12日のウエスタン・リーグのソフトバンク戦で実戦復帰。2軍公式戦は8試合で23打数6安打、打率2割6分1厘。本職の三塁以外にも左翼や一塁にも就いた。鳥谷や原口の打撃も下降気味で、キャンベルの存在はオーダー選択の幅を広げそうだ。

 この日、鳴尾浜球場に姿を見せた掛布2軍監督は「打ち方も悪くないし、本人も『問題ない』と言っていた。迷惑をかけることはないんじゃないかな」と期待を込めて送り出す。キャンベルは自宅で筋力トレーニングを行い、1軍昇格に備えたという。上々のデビューを果たせば、チームは大きな推進力を得る。奪首ウイークの使者になれ!

<阪神入団後のキャンベル>

 ◆キャンプ 沖縄・宜野座ではミート中心の打撃が多かった。だがギアを入れると、79振で13本の柵越えを放った日もあった。守備は本職の三塁に加え、一塁、二塁、左翼も守り、マルチぶりをアピールした。

 ◆故障 2月27日の宜野座紅白戦で、横山の変化球を空振りした際に左手首を負傷。沖縄県内の病院で検査を受け、「左手首のけんしょう炎」と診断された。

 ◆リハビリ 患部の回復が思わしくなく、3月4日に2軍に合流してリハビリを開始。4月3日にフリー打撃を再開した。同6日に初めてフルメニューを消化し、フリー打撃では6本の柵越えを放った。

 ◆実戦復帰 4月12日にウエスタン・リーグのソフトバンク戦で実戦復帰。5番三塁で出場、2打数1安打。13日の同戦では来日初タイムリーを放ち、ここまで出場8試合で23打数6安打、2打点、打率2割6分1厘。