日本ハム田中賢介内野手(35)が、難攻不落の左腕から値千金のサヨナラ打を放った。楽天4回戦(札幌ドーム)の9回2死一、三塁、松井裕から右前適時打で今季初のサヨナラ勝利をもたらした。12年6月2日阪神戦(札幌ドーム)以来のサヨナラ打だった。

 満面の笑みを浮かべた田中賢は、両手で「来い、来い」とチームメートをあおった。ダッシュしてきた後輩らにペットボトルの水を次々とかけられた。今季無敗で絶対的な安定感を誇っていた松井裕を相手に「(配球は)読まずに打とうと。たまたま甘いスライダーが来た」。しっかりとらえ、大きな仕事を果たした。

 この日から毎年恒例の「北海道シリーズ2017 WE LOVE HOKKAIDO」が始まった。今季は名作映画「幸福の黄色いハンカチ」のシンボルカラー「ハッピーイエロー」を基調とした限定ユニホームで戦う。休日に道内を旅行するなど北海道愛にあふれる男が躍動した。

 チームは10連敗を脱出し、2連勝となった。栗山監督も「必ず決めてくれると信じていた」と、最敬礼。今季は不慣れな一塁守備やDHもこなす。「それもいい経験と思って」というベテランが、ハッピーエンドの主役になった。【木下大輔】

 ▼日本ハム田中賢が、楽天戦の9回2死一、三塁から右翼線にサヨナラ適時打を放った。田中賢のサヨナラ打は12年6月2日阪神戦(札幌ドーム)で、1-1で迎えた延長10回1死満塁から中越え適時打を放って以来、5年ぶり6度目となる。うち2度は札幌ドームで放ったサヨナラ本塁打で、05年9月28日ロッテ戦延長11回と、06年6月30日楽天戦延長10回に記録している。

 ▼日本ハムが楽天に9回サヨナラ勝ちし、同カード今季4試合目で初白星をつかんだ。過去3戦は、敵地で2-3、2-4、3-4(延長10回)と接戦を落としていた。この日も敗れていれば、05年の楽天誕生以来、初の開幕4連敗となっていた。