中日にとっては難しい選択だった。ジョーダンが2-2のまま踏ん張り、6回2失点と試合を作った。

 2番手は祖父江。7回を抑え、8回も続投した。先頭に四球を出し、2死までいったが原口、代打高山に連続四球で満塁。北條に勝ち越し2点打を許した。

 決して不調ともいえず、信頼もある右腕だが、投手交代のタイミングはあった。次の味方の攻撃は下位打線。1点取られたら敗色が濃くなる。それでも祖父江に2イニングを託した。友利投手コーチは「12回までの計算をしていた。そうじゃないと(投手の)数とイニングが合わない」と説明した。ブルペンには勝ちパターンで投げる田島、三ツ間のほかに岩瀬、岡田、佐藤、鈴木が控えていた。

 阪神も同じく7回から継投に入っていた。森監督は祖父江の続投理由について「答えられない」と口をつぐんだ。質量ともにブルペンの数的有利を作り、延長戦に勝機を見いだしたい狙いがあったとみられる。

 前日29日も同じような展開。結果として同点の9回にドリスを打って勝ち越した。指揮官は「12回を計算していた。向こう(の投手)は12回までもたないと思ったから、それなら可能性はあるかなと思っていた」と明かしていた。延長戦を見据えて手控えるか、勝負どころと見てつぎ込むか。選択が迫られた中、この日は結果として裏目に出た。【柏原誠】