西武秋山が10日間で5本目となる本塁打で、チームに1週間ぶり白星をもたらした。3回2死、ロッテ先発唐川のフォークを右中間スタンドに運んだ。「感触は良かった。ただ深いところに飛んだので、入る確信はなかった」と言うが、ワンバウンドで場外に消える特大の1発だった。

 第3、第4打席でもヒットを重ね、試合終了時点での今季最高となる打率3割3分まで達した。安打製造機の本領発揮だが、加えて本塁打もリーグ3位タイの5本。「浅村にうらやましがられますけど、そこで勝負しているわけじゃない」と苦笑いする。

 さらに例年と違うのは、打線の中で買って出る役割だ。今季はここまで、下位に木村文、田代が入ることが多かった。2人は打率が思うように上がらず、2死走者なしで秋山に打順が回る機会も増えた。「簡単に終わらないことを意識して」と打ちにいくのを遅らせ、結果四球が増えた。

 2人は思い切って打ちにいけばいい。後は何とかする。主力らしい配慮は、後続にも及ぶ。2番に入るルーキー源田に、初対戦の投手の球筋を1球でも多くみせることも意識する。「打線がつながること。それで初めてチームが成長していると言える」。もちろん、個人的な結果も出す。責任感が背番号55の背中を大きくみせる。【塩畑大輔】