主砲が援護弾! 日本ハム中田翔内野手(28)が6試合ぶりの2号2ランを放った。1点を先制した直後の1回1死、オリックス西の直球を捉え、左翼席へ放り込んだ。復帰登板となった同学年の浦野をサポートする一撃で、4連勝を引き寄せた。

 中田がひと振りでチームメートを強力援護した。初回、1点先制してなお1死一塁。西の139キロ内角直球を左翼スタンドにかっ飛ばした。打った直後には「打った本人が一番ビックリしてるわ」と驚きを隠せなかったが「いいコースだったと思う。自然体で打てた」と納得の表情。先発マウンドには浦野。同じ89年生まれがケガから復帰し、右腕を振る姿に「久々に勝ちをつけてあげたくて、楽にさせてあげることができた」。結果的に決勝弾となった。ともに勝ち取った勝利の余韻に浸った。

 鬱憤(うっぷん)を晴らす1発だった。4月9日オリックス戦(京セラドーム大阪)で右内転筋痛で途中交代してから一時離脱。それ以来の苦い思い出が残る球場だった。「特に何も」と気負わずに挑んだが、1軍復帰後、同27日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)でマークした第1号から6試合22打席ぶりの本塁打。ほっとした様子だった。

 光が差した。打率は1割5分9厘と苦しんでいた。「がむしゃらに振るしかない。三振を恐れていたら自分じゃない。『仕方ないね』くらいの気持ちで」。開き直って打席に立つと「今日はボールが見えていた」。3回にも左前打でマルチ安打をマークした。

 子ども好きな主砲がプロ10年目でこどもの日に放った初めてのアーチ。「みんなかなり調子がいい」と手応えをつかんでいる。4連勝のチームの勢いに押されるように調子を上げた4番に、自信がよみがえっていた。【保坂果那】