日本ハム有原航平投手(24)が、ようやく今季初勝利を手にした。オリックス打線を7回7安打2失点に抑え、今季6度目の先発で初白星。プロ3年目で初の開幕投手を務めた今季初登板以降、背信の投球が続いていたが、チーム5連勝に貢献した。

 苦しみながら、ようやく白星にたどり着いた。有原が7回で7安打を浴びながら2失点と粘った。つかんだ今季初勝利。初めて開幕投手を務めた3年目の1勝目は6度目の先発で結果が伴った。「苦しかったです」と、本音を吐露した。

 序盤は崩れそうになりながら、耐えた。初回は2死から3連打を浴びて先制点を献上。3回に逆転してもらったが、その裏に同点とされた。「流れに乗れない中で、野手の方に助けられた」と、中盤からは打線の援護に応えて無失点。低めにボールを集めることを意識して、立て直した。

 もどかしい日々を過ごした。「チームにも、なかなか勝ちが付かなかったし、何とか勝てるようにと思って練習していた」という。結果が出なかった4月には、かつてロッテのエースだった黒木投手コーチから「どんな状況でも投げ続けないといけないんだ」と、叱咤(しった)激励された。エースとは、どういう存在か-。試練と向き合った。

 4月8日オリックス戦(京セラドーム大阪)では8失点しながら完投した。志願して最後まで投げた。栗山監督から「いい経験にして、いろいろ勉強して前に進んでくれればいい」と、背中を押してもらった。「それは心に残っています」と糧にして、やっと1つ恩返しした。同監督からは、この日の試合後に「こっちの望みは高いから」と、ハッパを掛けられた。有原も「これでホッとせず、次からも勝っていきたい」。本領発揮は、ここからだ。【木下大輔】