日本ハムのブランドン・レアード内野手(29)が、プロ野球タイ記録となる4打数連続本塁打をマークした。まずは2回。リーグ最速の2ケタ到達となる10号ソロを左翼に運んだ。そして3回2死一塁。2打席連続アーチを左翼席へ運ぶと、レアードの口元が緩んだ。前日12日は2打席連発の後に2四球を選んでおり、記録達成となった。

 「打った瞬間、ちょっと笑ってしまったよ。自分の調子のよさに驚いている。打者有利の球場。アイラブトウキョウドーム」。通訳に記録を伝えられた5回は、初球を併殺打で「新記録を狙っていたから残念」と悔しがった。だが、5月は10試合で6本塁打。昨年も5月には12本塁打を放ち、月間MVPを獲得した。遠征先では近くの公園を散歩して歩くのが好きなレアードは、春の訪れとバットの状態がシンクロする。

 試合前のシートノック時には、グラブ持参で観戦するファンを探し、スタンドとグラウンドでキャッチボールをする。「楽しそうにしてくれるからね」。打率1割台だった4月から欠かさず、今では札幌ドームの三塁側席に、グラブを持つファンが増えた。「野球は楽しくやらなきゃ、結果も出ない」。若手選手にもかける言葉が、レアードを支えている。

 チームは3連勝で、5月は8勝2敗。球団記録となる1試合7発の翌日に、4打数連続アーチの日本タイ記録と、連日お祭りが続いている。栗山監督は「やっと状態が上がってきた選手が多くなってきた」。昨季王者が、少しずつ上位に忍び寄っている。【本間翼】

 ▼レアードがロッテ戦の第2打席から2四球を挟んでプロ野球タイ記録の4打数連続本塁打。15年山田(ヤクルト)以来20人、21度目で、日本ハムでは80年2度のソレイタ、97年ウィルソンに次いで3人、4度目。途中に四死球を挟んだのは8人目だが、2四死球を挟んで記録したのは13年バレンティン(ヤクルト=本本四本四本)とレアードだけ。また、レアードの2試合連続2発は昨年5月28、29日楽天戦に次いで2度目。日本ハムで2試合連続マルチ本塁打を2度記録したのは70、72年大杉以来。今日のロッテ戦で昨年筒香(DeNA)がマークした3試合連続マルチ弾に挑戦する。