強烈なパンチ力で三塁線を抜いた。ソフトバンク柳田悠岐外野手(28)が、復興を目指す熊本で復活した。楽天戦で2点適時二塁打を含む今季初の猛打賞をマーク。チームを今季2度目の5連勝に導いた。前日12日には昨年4月の熊本地震で被害を受けた益城町の益城中央小学校を訪問。この日は満員のファンから元気をもらい、不振から脱出した。チームの貯金も今季最多の10。首位楽天とのゲーム差を1・5に縮めた。

 柳田は5月、絶不調だった。試合前までの9試合で打率1割4分3厘。不振脱出へ、試行錯誤の日々だった。試合後に資料室にこもり映像をチェック。早出練習ではビデオカメラを2台用意し、ティー打撃の方法を変えるなど、あの手この手を使った。

 髪形をパンチパーマ風にしてみたり、登場曲を全打席大好きな「ももクロ」にしたり、気分転換も図った。1日だけストッキングをオールドスタイルにしたこともあった。「もうオレ2軍ですよ」と漏らし、本多から「そんなこと言っちゃ駄目だ」と、たしなめられたりもした。

 最近はめったに選手を指導しない王球団会長から「間合いを取れ」「8割の力で振れ」などと助言を受けた。復調へのきっかけをつかんだ柳田は「僕1人の力ではない」と感謝する。藤本打撃コーチから「ネガティブパンチパーマでネガパンや」といじられていたが、明るく元気なギータに、もうすぐ戻れそうだ。【石橋隆雄】